U-22日本代表MF岩崎悠人(札幌)

写真拡大

 一日前には主力組に入っていた。しかし、この日は違った。約半年ぶりに招集された舞台。ここで燃えないわけがない。「本当にやるしかない」。合宿3日目に行われた紅白戦。U-22日本代表FW岩崎悠人(札幌)はゴールという結果を残した。

 開始わずか46秒だった。PA手前でMF三笘薫(筑波大→川崎F)がボールを受けると、「あそこに出てくると思った」とPA内へと走り込む。三笘から足下に届けられたボールを持ち出し、左足のシュートでネットを揺らした。

 森保一監督就任後、東京五輪世代・常連メンバーの一人となった。18年9月のアジア大会ではチーム最多となる4得点を記録。その後もコンスタントに招集され、19年3月のAFC U-23選手権予選で2得点、同年6月のトゥーロン国際大会でも2得点をマークするなど、シャドーの位置で存在感を放っていた。しかし、所属する札幌で出場機会をつかめないこともあって、U-22日本代表から約半年間、遠ざかることになった。

「もちろん悔しかったし、焦りもあった」。札幌のチームメイト、そして東京五輪世代のMF菅大輝がコパ・アメリカ、E-1選手権でA代表に選出される姿を間近で見てきた。悔しい気持ちはあった。しかし、菅は札幌でシーズンを通してレギュラーを張ってきた。「試合に出られていない状況を考えると当たり前。やっぱり試合に出ないといけない」。ピッチに立たなければ、代表には呼ばれない。そのことを痛感した。

 今回の長崎合宿で約半年ぶりにU-22日本代表に招集された。チーム内での立ち位置は「全然です」と語り、「一回一回の練習、一個一個のプレーを大事にして、少しでもアピールして、『いいな』と思ってもらえる回数を増やすしかない」立場だと自覚している。

 25日のフォーメーション練習では主力組でプレーも、26日の紅白戦では違った。「そこで気持ちの浮き沈みは全然なかった。どっちにしても『やるしかない』ので。『本当にやるしかない』という気持ちだった」。そして、ゴールという結果を残した。「そういう気持ちを見せられた思う」。意地のゴールだった。

 約半年後に迫る東京五輪の思いは増している。「五輪への思いは近付くにつれてより強くなっている。家族や周りでサポートしてくれている人への思いが強くなっているので、その人たちのためにも絶対に活躍して、メンバーに入りたい」。そして、メンバー入りを果たすには、「這い上がる」しかない。それは、U-22日本代表でも、札幌でも同じだ。

 20年のスタートをより良いものにするためにも、28日に行われる19年ラストマッチ・キリンチャレンジ杯U-22ジャマイカ戦で、「チャンスをもらえたら、必死に自分らしさを出していく」とアピールを成功させたいところだ。

(取材・文 折戸岳彦)