7日、参議院議員会館でマイノリティーグループの連帯を呼びかける院内集会が開かれた(撮影:佐谷恭)

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マイノリティーと先住民族の権利の保護などを目指す反差別国際運動日本委員会(IMADR)は7日、東京都千代田区の参議院議員会館で院内集会を開き、国連に今年1月に提出された日本の人権状況についての報告書の概要を説明するとともに、マイノリティーグループの連帯を呼びかけた。

 報告書は、国連人権委員会が任命した特別報告者ドゥドゥ・ディエン氏(セネガル)が、昨年7月に来日したときのヒアリングを基にまとめたもの。日本には人種差別と外国人嫌悪が確かに存在し、アイヌ民族や沖縄の人びとなどナショナル・マイノリティーと、在日コリアンやその他の外国人に影響を及ぼしていると結論付けている。また、日本政府に対し◆人種差別の存在を公式に認めそれを撤廃する政治的意志を表明すること◆差別を禁止する国内法令を制定すること◆平等と人権のための独立した国内人権機関と差別問題専管部局を設置すること◆歴史の記述の見直し―など、24項目の勧告を行っている。

 IMADRとNGOなど70の団体は、ディエン氏の報告書を受けて「NGO共同声明」を、同日発表した。共同声明によると、NGOなどは報告書を「日本における人種主義・人種差別・外国人嫌悪などの問題を、法的側面にとどまらず、社会的・歴史的文脈にまで踏み込んで包括的に捉えた、初めての国連文書である」と評価している。

 院内集会で、マイノリティー代表の1人として話をした在日コリアンの宋貞智さんは「画期的な報告書だが、記述にはまだ偏りがある。例えば、コリアンの学校の問題を取り上げてはいるが、コリアンの子どもの9割は、日本の学校に通い、多くは本名でなく通称名(日本名)を名乗っている」と述べた。

 IMADRの森原秀樹事務局長は「報告書には理解が不十分な点や誤解に基づく点もあるが、これを機に差別をなくす大きな動きを作りたい。関連団体のゆるやかなネットワークを広げ、報告書が取り上げていないことを補完する作業ができれば」と語った。【了】

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