厳選!2歳馬情報局(2019年版)
第31回:シルヴィス

 2019年のJRAも、いよいよ12月28日がラスト開催。同日には、来春のクラシックを占う注目の2歳GIホープフルS(中山・芝2000m)が行なわれるが、この日にデビュー戦を迎える期待の2歳馬もいる。

 栗東トレセンの角居勝彦厩舎に所属するシルヴィス(牝2歳/父ルーラーシップ)も、その1頭だ。


シルヴィスの母ラキシス

 シルヴィスの母は、GI覇者のラキシス。2013年の3歳秋に、当時の500万下(現1勝クラス)、1000万下(2勝クラス)と連勝し、条件馬の身でありながら果敢にGIエリザベス女王杯(京都・芝2200m)に挑戦した。同世代の格上馬や古馬一線級が集うなか、その年の二冠馬(オークス、秋華賞)メイショウマンボには屈するも、同馬からコンマ2秒差の2着と好走して見せた。

 以降は、重賞戦線で奮闘。4歳時には、GIII中日新聞杯(中京・芝2000m)や、GIIオールカマー(新潟・芝2200m)などで、牡馬相手にも2着と善戦した。

 そして、前年に惜敗したエリザベス女王杯に臨むと、ついに戴冠を遂げた。3番人気に支持された同レースでは、道中、7、8番手を追走。直線に入ってから、切れのある末脚を披露し、1番人気のヌーヴォレコルトをクビ差でしのいだ。

 5歳になってからも、当時GIIだった大阪杯(阪神・芝2000m)で躍動。ダービー馬のキズナをはじめ、スピルバーグやロゴタイプといった歴戦のGI馬を蹴散らして、圧巻の勝利を飾った。

 同年秋に引退し、GI1勝を含めて、手にした重賞タイトルはわずか2つに終わったが、競馬ファンには強烈なインパクトを残した名牝と言える。

 そんなラキシスの初子となるシルヴィス。母と同じく角居厩舎で管理され、デビューに向けて調整されている。そこでのスタッフの評判について、関西競馬専門紙のトラックマンが伝える。

「あるスタッフは、シルヴィスについて『幼いところはあるし、稽古も雑な面を覗かせるけれど、時計はしっかり出ています』とコメント。実際、調教では水準以上のタイムを計測しています。別のスタッフも、『体に緩さはあるけど、能力の高さを感じる』と話しており、デビュー戦から即結果を出せるかどうかは別として、いずれ走ってくるイメージは持っているようです」

 母のラキシスも、初陣は見事に飾ったものの、本格化したのは3歳の秋。まだまだ成長段階にあるシルヴィスも、同じ成長曲線を描くかもしれない。

 それでも、すでに速い時計が出ているのは、素質の高さか。うまくハマれば、早くから活躍しても不思議はない。先のトラックマンが続ける。

「スタッフによれば、以前に一度入厩した時に比べて、『かなり馬がよくなった』とのこと。距離適性は中・長距離向きと見られているようで、母と同様、長めの距離で活躍しそうです。性格は『今はおっとりしている』ようですが、母ラキシスはピリッとしたタイプ。『(シルヴィスも)スイッチが入ると、母と似た面を見せる』とスタッフは言っていました」 初陣の予定は、12月28日の2歳新馬(阪神・芝2000m)。はたして、シルヴィスは母譲りの華麗な走りを見せることができるのか、必見である。