銀色ピカピカのタンクローリー なぜあんなにピカピカなの? 実は意味がある鏡面仕上げ
ピカピカに磨かれた無塗装のタンクが、まるで鏡のように周りの風景を映し出しながら走るタンクローリー。あのタンクの素材や、ピカピカの「鏡面仕上げ」には、納得の意味がありました。
塗装の必要なし ステンレスローリー
タンクローリーのなかには、ピカピカに磨かれたシルバーの無塗装タンクを搭載し、それに周囲の風景を映し出しながら走るものがあります。あのタンクの素材や、表面の「鏡面仕上げ」には、それぞれ意味があるようです。
タンクローリーのメーカーである極東開発工業(兵庫県西宮市)に、詳しく話を聞きました。
タンクが鏡のように周囲の風景を映す銀のタンクローリー(画像:vacclav/123RF)。
――タンクローリーのタンクは、何でできているのでしょうか?
大きく分けて鉄、アルミ、ステンレスの3種類です。そのうちステンレスのものは、主に牛乳などの食品や化学薬品を運ぶ車両、あるいは飲料水を積む給水車など、どちらかというと特殊用途に用いられます。
このような積載物に、錆びや塗装剥がれなどの不純物が混入すれば大変なことになりますので、腐食に強く、塗装で金属を保護する必要のないステンレスは、衛生管理の厳しい積載物に適しているのです。なので、タンクは無塗装で、納品前に磨き上げたり、内部にコーティングを施したりするケースが多いですね。
――あれほどピカピカに磨くのは、どのようなメリットがあるのでしょうか?
耐久性がアップするからです。また、食品工場など衛生面にシビアな場所へ納品するケースが多いので、キレイなイメージを維持するため、タンクも含めクルマもきれいにされている傾向です。当社でも、タンクの再コーティングや再研磨などのメンテナンスに対応しています。
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ちなみに、タンクローリーには大きく分けて、タンクの断面形状が楕円のものと真円のものがあります。極東開発工業によると、楕円のタンクは、内容物が下のほうに溜まりやすいので、走行時の重心が低く、クルマが転倒しにくくなるとのこと。一方、真円のタンクは高圧ガスや流動性の低い液体に用いられるそうです。