システム上のミスマッチを是正するのは、監督の仕事でもある。森保監督は3−4−2−1のなかで選手たちの対応力を見極めたかったのだろうが、タイトルのかかった一戦である。追いかける展開となってからは、勝負に重心を置いた采配が求められたはずだ。

 結果的に韓国に優勝をさらわれただけでなく、選手の対応力も監督のベンチワークも不満が残るものとなった。システムが違えばもっとできた選手はいたかもしれないが、海外組を交えたチームに食い込んでいきそうな選手は見つけられなかった。

 U−22日本代表では3バックを、日本代表では4バックを軸足とすることも、いよいよ見直すべきではないだろうか。11月のU−22日本代表のコロンビア戦でも痛感させられたが、3バックは3人のDFがひとりで危機回避する能力と、単なるつなぎではなくしっかりとしたビルドアップの能力が問われる。吉田、冨安、昌子源、植田直通、現在はボランチを定位置とする遠藤航らを並べるぐらいでなければ、3バックで成果をあげるのは難しい。

 また、U−22から日本代表への選手の吸い上げを考えても、同じシステムにしたほうが適合に時間はかからない。ふたつのシステムを使い分けるのは理想的だが、現状の3バックはシステムありきになっている。

 日本代表の19年はE−1選手権で終了となったが、U−22日本代表は年末にテストマッチを消化し、来年1月早々にAFCのU−23選手権に挑む。

 東京五輪アジア最終予選を兼ねた大会は、すでに出場権を持つ日本には優勝が絶対条件ではない。ヨーロッパでプレーする選手の招集も、普通に考えれば難しいだろう。

 そうは言っても、「選手が揃わないから負けてもしかたのない大会」ではない。6月のコパ・アメリカと今回のE−1選手権などで、五輪世代を数多く日本代表で起用してきたのだ。何よりも、五輪で表彰台を目ざすとの目標に見合った戦いを、招集メンバーに関係なく見せていかなければならない。

 20日には20年のスケジュールが発表される。関塚隆技術委員長と森保監督からも、20年へ向けた言葉が聞けるだろう。それを受けてさらに、代表について掘り下げていきたい。