新戦力が続々と日本代表デビューを飾った2019年。森島(写真)はE-1選手権で躍動した。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 2019年は、極端な言い方をすれば“誰でも”日本代表としてプレーできた1年だった。

 いったい何人の選手が招集されただろう。60人は超えていた? 数え切れないほどだ。

 これは決して悪い事柄ではない。まだ代表で立ち位置を確立していない将来性ある選手たちを集め、ともにプレーさせるのはある意味で健全な発想だ。ただ、チームが熟成されたかと問われれば、判断はきわめて難しい。え? どのチームがベスト? と訊き返したくなるからだ。

 実際にいろんなチームが混在して、良かったり悪かったりを繰り返した。

 年明けのアジアカップ決勝で、カタールに1−3で敗れ去ったチームがある。全体としての出来は称賛に値しただろう。実際に決勝まではアジアの列強を相手に6連勝を飾り、なかでも最高レベルのイランを3−0で葬り去った準決勝は圧巻のパフォーマンスだった。カタールは確かに強力で蹴散らされたが、深刻な敗北ではない。日本は堂々たるファイナリストであり、準優勝は森保ジャパンの進化の過程を考えれば、上々の結果。もちろん問題がないわけではなかったが、当時のイランやサウジアラビア、韓国のそれに比べれば、全然マシである。日本は確固たる歩みで合格点を得て、決勝に到達したのだ。

 コパ・アメリカの出だしは最悪だった。初戦で前回覇者のチリに0−4と完膚なきまでに叩きのめされたからだ。しかしながら、チームはすぐさま見事なカムバックで立て直し、続くウルグアイ戦で2−2のドロー劇を演じると、エクアドル戦も引き分けで終えた。とても印象的で、本気度の高い南米の一流国を相手に、若手中心で臨みながら日本はしっかりと渡り合い、決勝トーナメント進出もわずかな差で逃がしたに過ぎない。2020年の東京五輪を目ざす世代には間違いなく合格点が与えられるし、2022年、さらには2026年のワールドカップに向けても好材料となったはずだ。

 
 一方で11月の親善試合で、チームはベネズエラを相手に酷い内容で1−4の惨敗を喫した。とくに前半の内容はお粗末で、0−4で折り返す羽目となる。後半はベネズエラが力を抜いてきたのもあってなんとか盛り返した次第だ。

 ワールドカップ予選はどうだったか。正直、あまり参考にならない。どんな面子で試合に臨もうが、あのレベルの対戦相手に日本が星を落とすとは考えにくく、興味は失点するか否かくらいのもの。実際に日本はここまで4試合を戦って、1点も奪われていない。

 そして、終わったばかりのE-1選手権だ。五輪代表世代に新たな経験蓄積の場が与えられ、“真の日本代表”はすっかりお休みとなった。ゴールのパターンやフィニッシュ精度は素晴らしかったが、やはり経験値の高い韓国相手にはまるで歯が立たなかった。それでも、私は意義ある大会になったとは考えている。
 このように、日本は今年もさまざまなシチュエーションで国際Aマッチを戦い、さまざまな世代のさまざまな選手を招集した。だが、私が考えるかぎり、“真の代表”はないがしろにされ、チームとしてのバージョンアップはさほど果たせなかった印象だ。アジアカップに臨んだチームがベストなのは疑いがなく、下半期はほぼ更新も上積みもなされなかった。

 多くの若手や新戦力をテストはしたが、レギュラーを脅かすような存在はあまり台頭してきていない。

 例えば、前線の核である大迫勇也の代わりを務めうる人材は見つかったか。彼が調子を落としたときはどうする? このままではいずれ、大きな悩みの種となるだろう。その後方で確かな存在感を示しているのが南野拓実で、香川真司も出場機会を得れば及第点のパフォーマンスを披露するだろう。中島翔哉と堂安律は両翼のベストチョイスで、伊東純也と原口元気も貴重な控えと言える。