鈴木のシュートブロックに入るキム・ヨングォン。Jリーグでも対戦経験のある両者が火花を散らす。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 日本代表を下し、韓国の大会3連覇で幕を閉じたE-1サッカー選手権。宿命の対決ともされる日韓戦の試合結果は、韓国でもスポーツ紙から一般紙までこぞって報じている。

「“ファン・インボムの決勝ゴール”韓国、日本を破ってE-1選手権3連覇の“快挙”」『聨合ニュース』
「ベント・コリア、日本を下して東アジアカップ3大会連続優勝」『ニューシス』
「“ファン・インボムの決勝ゴール”韓国、日本に勝利して3連覇」『SBS』
「韓国サッカー、東アジアカップ3連覇」『ハンギョレ』
「韓国サッカー代表、“枠内シュート0”の日本に1-0で勝利…大会3連覇」『日曜ソウル』
「韓国サッカー、宿敵日本を下して東アジアカップ優勝」『ムドゥン日報』

 こうした見出しからも分かるように、決勝ゴールを決めたファン・インボムの活躍に注目するメディアが少なくない。「文句のないMVPファン・インボム、皇太子の資格を実力で証明した」と見出しを打った『SPOTVNEWS』は、「大会前、ファン・インボムには疑問符がついていた。ベント監督がなぜ彼を活用するのか分からないという疑問がついて回った。しかし批判的な視線はE-1選手権で実力を見せつけ、整理された」と報じ、「素晴らしい才能を持っている選手」というベント監督の言葉を引用しながら称賛した。

『フットボリスト』が注目したのは、DFキム・ミンジェだ。

「“守備も攻撃も”キム・ミンジェにアジアの舞台は狭い」と見出しを打ち、「(朝鮮)半島のファン・ダイク」というワードを使いながら「今大会の注目のひとつは“キム・ミンジェの再発見”だ」と強調した。

「190cmの長身を生かした守備は、簡単に崩すことはできなかった。韓日戦でも11分に日本がカウンターを仕掛けようとすると、いち早く飛び出してボールを奪い、相手の流れをきちんと切った」と報じた。また8分に日本のゴールポストを直撃したヘディングシュートなどを挙げながら「キム・ミンジェの高さは非常に脅威的だった」と伝え、「欧州の舞台でプレーしても遜色がない。キム・ミンジェにアジアの舞台はたしかに狭くなった」と締めくくった。

 日韓の監督にフォーカスを当てたのは、『スターニュース』の「ベント、韓日戦に“秘密戦略”があった…日本監督も驚いた“前方圧迫”」という記事だ。試合後の記者会見のコメントを紹介しながら、「森保一監督は韓国の強いプレスを予想できなかった」と指摘し、「私たちの守備戦略は明確だった。日本がビルドアップを始めようとする時、プレスを通じて防ごうとした。ゴールキックから始まるビルドアップなどを含めて、日本の多様な形態のそれを研究した」というベント監督の発言を際立たせて報じた。
 
 また、日本戦が大会最終戦でもあったため、大会の総括をするメディアもあった。『ベストイレブン』は、「韓国サッカーが東アジアカップを通じて確認したこと」と見出しを打った。記事では「韓国サッカーがアジアでは相変わらず健在であることを確認した大会」と振り返っており、「ベント監督が愛用するファン・インボム、ナ・サンホのラインがなぜよく選択されるのかを大会を通じて知ることができた。ファン・インボムは韓国が大会で決めた計4ゴールのうち、半分(2ゴール)を担った。ナ・サンホもまた密集守備を解体する専門家らしい役割を果たした」と評価した。

 そしてベント監督が確認したこととして、「これまでの哲学」を挙げ、「ベント・コリアは日本戦で前方からの強いプレッシャーと速いプレーで結果と内容を掴んだ。大会全勝、無失点の優勝によって、ベント監督が目指す道が間違っていないことを確認した」と報じた。

 ただ一方で、「ベストメンバーではない今大会に、あまり多くの意味を付与することは正しくない。日本は23歳以下の若手を主軸にしたし、中国もリッピ監督の代行体制で不完全な戦力で大会に臨んだ」と、冷静さも忘れなかった。

 今大会はソン・フンミンやファン・ウィジョ、イ・ガンインといった欧州組が出場していないことから、地上波でも中継されず、韓国では興行的な失敗を指摘する声も上がった。しかし、こと日韓戦に関しては「韓日戦の中継放送、非地上波では視聴率1位」(『ニューシス』)とあるように、「当日放送されたすべての非地上波放送で最高の視聴率」となった。有料加入世帯基準では全国視聴率9.3%だったそうだ。香港戦4.3%、中国戦6.3%だったことからも高い注目度を誇っていたことが窺える。

 いずれにしても3連覇という結果を残し、有終の美を飾った韓国。3月から再開するカタール・ワールドカップ・アジア2次予選に向けて、勢いがついたことは間違いなさそうだ。

構成●ピッチコミュニケーションズ