3大会ぶりの優勝を逃した日本代表。今大会でインパクトを与えた選手は? 写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 18日に行なわれたE-1選手権の韓国戦、日本は0-1で敗れた。

 内容的には後半に良い時間帯もあったが、トータル的には日本は持っている力の半分も出せていなかった。球際、競り合い、局地戦での駆け引き、ゴールへの意識、勝ちたい気持ち……あったとしても、それがピッチ上で見せられないのであれば、ないとの同じ。相手というよりも自分たちでリズムを崩して、流れを相手に渡しており、言ってみればほぼ自滅状態。これでは、海外組がいなきゃ何もできないと言われても仕方ない。

 試合後、森保一監督は「2020年に向けて成長につながるように今回の経験を生かしたい」と振り返った。ザッケローニ監督がこの大会に参戦した時は、ブラジル・ワールドカップの1年前だった。「新戦力の発掘」というテーマの下、多くの若い選手が招集され、プレーし、優勝を果たした。この大会結果をキッカケに山口蛍、森重真人らが代表入りを果たして、その後、代表に定着していった。若い選手がどのくらい戦えるかどうか、見極めるには規模的にもレベル的にもちょうどいい大会なのだ。

 果たして今回はそういう選手、森保監督が言う2020年に繋げられる選手はいただろうか?

 今回の日本代表は23名中、東京五輪世代は14名招集された。

 中国戦はスタメンで橋岡大樹、遠藤渓太、森島司、上田綺世、途中出場で相馬勇紀、田川亨介の7名が出場した。

 香港戦は、大迫敬介、菅大輝、田中駿汰、渡辺剛、古賀太陽、相馬、田中碧、田川、小川航基の9名がスタメン出綬し、上田が途中出場を果たした。

 そして韓国戦では、橋岡、遠藤、田中碧、森島、上田の5名がスタメン出場し、相馬が途中出場を果たした。

 この3試合で2020年に向けて、結果を残して可能性を示したのは、まず相馬だろう。

 もっぱら左アウトサイドでの起用だったが、名古屋時代からの「ボールを持ったら仕掛ける」という意識を今も徹底している。1対1の勝負ではほぼ勝ち、しっかりとセンタリングを上げてチャンスを作っていた。センタリングの精度、中に入る選手との呼吸が多少合わないところもあったが、相馬からクロスが上がった時が一番得点の匂いを感じた。一方守備では韓国戦では相手の強さに身体を張るなど、ここでも1対1では負けない守備を見せていた。

 3バックの左アウトサイドで相馬は、遠藤渓太とは異なるタイプとして大きな可能性を見せた。これからも継続するのはもちろん、もうひとつ前のポジションでのプレーも見てみたい。
 
 もう一人は、ハットトリック男の小川だ。

 香港は中国や韓国よりもレベルが落ちるが、国際試合の公式戦で複数ゴールを決めることは簡単なことではない。その中で、ハットトリックを決めたことは、相手がどうあれ、FWとして一番重要な結果を出したということで評価されるべきあろう。

 しかも、3点とも違うパターンのゴールだった。ゴール前の落ち着き、ポジション取りのうまさ、ボールをもらう前からシュートまでのイメージがしっかり描けている。

 調子が良く、気分も乗っていただけに韓国戦では後半、上田に代えて出場させ、小川がこのレベルでどのくらいやれるのか見極めても良かった。森保監督が上田に期待しているのは容易に理解できるが、そういうチャンスをこれから平等にFWの選手には与えられるべきだろう。

 森島は、中国戦の出来が秀逸だった。それだけに、レベルが上の韓国相手にどのくらいやれるのか、見たかったが、残念な結果に終わった。相手の圧は想定内だったはずだが、前を向いて効果的なパスを繰り出すシーンがほとんどなく、見せ場は後半終了間際のシュートシーンだけではかなり物足りない。もっと我を出してプレーしてほしかった。ただ、次回にはつながるプレーは見せてくれたと思う。

 今大会は、東京五輪世代がアピールするには絶好のチャンスだったが、結果を出して次に繋げられた選手は小川らごく少数に限られた。正直なところ、いつまでもチャンスがあるわけではない。自分が東京五輪に出るという意志の強さがプレーにも反映されるはず。そういう姿勢が選手からあまり発散されず、韓国に敗れて2位。
選考、結果ともに物足りない大会だった。

取材・文●佐藤 俊(スポーツライター)