両チームの予想布陣。韓国の2列目には攻撃センス溢れるタレントが揃う。(C)SOCCER DIGEST

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 森保一監督率いる日本代表は12月18日、E-1選手権の3戦目で韓国代表と対戦する。第1戦目の中国戦に2−1で、第2戦目の香港戦を5−0で勝利した日本は、勝点6と得失点差「+6」で首位に立つ。同じく連勝している韓国の勝点差「+3」のため、引き分けでも優勝が決まる優位な立場にいる。

 それでも、お互いが強烈にライバル視する”日韓戦”は独特の緊張感があり、さらに今回はタイトルが懸かっているとあって、平穏な試合にはならないだろう。引き分け狙いでいけば、足もとをすくわれかねない。

 田中碧が「負けてはいけない相手。簡単に勝たせるくれる相手ではないし、すごい厳しい試合になると思う」と言えば、遠藤渓太も「みんな目の色が変わる。相手も自分たちもそう。負けるわけにはいかないというプライドを誰しもが持っている」と、選手たちも韓国戦が激しい展開になると予想している。

 遠藤が言うとおり、韓国は目の色を変えてくるだろう。自国開催でもあり、引き分けでも優勝できない、という状況が逆に選手たちの闘争心を燃え上がらせるのは容易に想像がつく。
 
 そんな韓国戦で鍵を握るのはウイングバックだ。韓国はムン・ソンミンやナ・サンホらスピードが特長のウインガーや、キム・テファンやパク・チュホという攻撃力のあるSBを活かして重厚なサイドアタックを仕掛けてくる。先発が予想される橋岡大樹と遠藤がいかに侵入を阻止し、またどれだけ相手を押し込めるかはひとつのポイントになる。サイドの争いが、そのまま試合の主導権に関わってくる可能性は高い。

 もっとも韓国は10月15日の北朝鮮戦から5試合、流れの中からゴールを奪えていない。今大会でもチャンスを作りながらも、決定力を欠く場面が散見された。パウロ・ベント監督をはじめ選手も、攻撃に関して少なからず焦りを抱いているのは、日本にとっては朗報だろう。

 ただし気をつけなければならないのは、セットプレー。今大会で韓国が奪った3ゴールはいずれもFKとCKによるものだ。左利きのキム・ボギョンと右利きのファン・インボムはいずれも多彩なキックが持ち味。バイタルエリアではファウルを犯さないよう細心の注意を払いたい。CKでは空中戦に滅法強いキム・ミンジェに警戒が必要。時にはマークをふたりつけることも考えたほうが良さそうだ。
 韓国代表には、GKク・ソンユンやナ・サンホなど現役Jリーガーや、キム・ボギョンやイ・ジョンヒョプといった元々Jリーグに在籍していた選手が数多くいるのも厄介だ。つまり、日本の手の内はほとんど知られていると見ていい。単調な攻撃ではなく、何かしらのリズムを変える工夫が求められる。

 例えば試合中に鈴木武蔵を前線に上げて2トップにしたり、井手口陽介と田中碧が遠めからでもシュートを狙ったりすれば、相手の守備陣に混乱を与えらえるかもしれない。森保監督がそうした攻撃の幅を持っているかは、ひとつの注目点だろう。
 
 相手の虚を突いて先制点を奪えれば、試合を優位に進めるはずだ。韓国からすれば優勝するためには2点が必要になるため焦りが生まれるだろうし、逆に日本には精神的な余裕ができる。

 もしかすると早い段階で試合の雌雄が決するきっかけが訪れるかもしれない。3大会ぶりの優勝が懸かる、森保ジャパンの大一番は、序盤から目が離せない展開になりそうだ。

取材・文●多田哲平(サッカーダイジェスト編集部)