値千金の決勝ゴールを決めた籾木。大会スポンサーの「brave」社から賞が贈られた。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 なでしこジャパンこと日本女子代表は12月17日、E-1選手権で9年ぶり3度目の優勝を果たした。

 事実上の優勝決定戦となった3戦目の韓国戦。2連勝の日本は、1勝1分の韓国よりも優位に立ち、引き分けでも優勝が決まる立場だったが、絶対的エースの岩渕真奈、司令塔の長谷川唯らを欠く苦しい状況でもあった。実際韓国戦では立ち上がりから攻撃が噛み合わず、なかなかシュートチャンスを得られずにいた。

 しかしそんな試合で、大仕事を果たしたのが、籾木結花だった。

 右サイドハーフで先発し、前半途中に2トップの一角にポジションを移した籾木が輝きを放ったのは、0−0のまま迎えた86分。

 エリア内でボールを受け、すかさず左足を振り抜くと、このシュートが相手のハンドを誘いPKを獲得するのだ。そしてらペナルティスポットにボールをセットしたのは籾木自身だった。

 スタジアムには日韓戦独特の緊張感が張り詰め、ゴール裏の韓国サポーターからは怒号のようなブーイングをかけられた。

 決めれば、ほぼ優勝を決定づける重要なシチュエーション。籾木は何かを自分に言い聞かせるように目を閉じて集中を高めた。

「自分が蹴る状況ということを意識し過ぎずに、ただ狙ったところにボールを蹴ればいい。それだけに集中していました」
 
 冷静に放たれたシュートはゴール右隅へと飛び、GKの横っ飛びをわずかに避けるようにゴールへと吸い込まれた。

「危ねえ」

 緊張から解放された籾木は思わずそんな声が出たというが、このゴールが結果的に決勝点となり、日本代表は3連勝で優勝を果たした。

 しかし殊勲のPK弾を決めた籾木には慢心はない。

「嬉しさはありますけど、自分が貢献できたのはPKだけだった。本当にチームに助けられた試合だったと思います」

 岩渕や長谷川の穴を大きく感じる試合でもあった。もっと自分が攻撃を組み立てられれば、そんな思いも少なからず籾木の胸中には残っている。

「ボールを引き出そうとしても、出し手の顔がしっかりと上がっている状態でないと、タイミングが合わない。もっと、その人の特長を知ったうえで、どのタイミングなら顔が上がるのかを知ったうえで、それを予測して、自分がうまく引き出せるようにならないと」

 籾木にとって、嬉しさと同時に小さくない悔しさも残った大会でもあった。

取材・文●多田哲平(サッカーダイジェスト編集部)

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