韓国戦の予想スタメン。岩渕の代わりは田中か。池尻との2トップの可能性も。(C)SOCCER DIGEST

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 なでしこジャパンこと日本女子代表は12月17日、E-1選手権の第3戦・韓国戦に臨む。ここまで初戦の台湾を9−0で破り、続く中国戦も3−0で完勝を収めたなでしこジャパンは、2位の韓国と勝点2差をつけているため、直接対決で引き分け以上なら優勝が確定する。

 もっとも韓国と言えば、昨年8月のアジア大会で苦戦を強いられた相手だ。試合終盤に勝ち越したものの、スピーディな攻撃に悩まされたのは、記憶に新しい。当時もゴールマウスを守っていたGKの山下杏也加は「アジア大会での韓国は本当に良いチームで、自分たちもこういうサッカーをしたいなと思った」と振り返っている。

 1年前とは日本も韓国もメンバーが違うものの、チームスタイルは変わっていない。山下いわく「普通にやれば負けないはずだけど」、難敵であるのは間違いない。
 
「技術の戦いになってくると思う。ビルドアップがうまくいかなければ失点してしまう」と山下が展望するように、鍵となるのは後方からのつなぎだ。

 2戦目の中国戦では最終ラインから中盤までのパスワークでミスが散見。ハイプレスをかわせずにボールを奪われると、そのままカウンターにつなげられ、度々ピンチを招いていた。中国戦では相手のミスに救われた場面が多かったが、より決定力に優れる韓国戦でも同じような失態を犯せば、失点は免れないだろう。

 CBとボランチがいかに落ち着いてパスを捌けるかは、ひとつのポイントなりそうだ。リスクを冒してパスにこだわるのではなく、時には前線に目掛けてクリア気味のロングボールを入れる選択肢も考えておきたい。

 また日本にとって大きな誤算は、長谷川唯の離脱。中国戦で右膝を打撲したようで、すでにチームを離れている。タメを作れるテクニシャンを失ったのは痛恨で、ゲームメイクにおいて後手に回る可能性もある。

 さらに今大会2試合で5ゴールを挙げている岩渕真奈はコンディション不良で前日の練習を欠席。回復次第で出場できるかもしれないが、この絶対的エースを欠けば、ゴール前のクオリティは大幅に落ちるだろう。代わりに出場しそうな田中美南やここ2試合で高い攻撃センスを見せる池尻茉由らの奮起に期待したいところ(17日、岩渕は離脱を発表)。
 対して韓国代表は、21歳のカン・チェリムが2戦目の台湾戦で2ゴールするなど、サブ組も台頭。日韓戦に向けてチームとしての仕上がりは上々だ。

 なかでも気をつけたいのは、チャン・スルギ。かつてINACでもプレーしたこのDFはサイドハーフやFWもこなすユーティリティで、時に相手陣内深くまでスルスルと上がってきて、ゴールを狙ってくる。
 
 FWのソン・ファヨンも警戒したい。素早い飛び出しが脅威で、1戦目の中国戦でも度々DFの背後を突き、決定機に絡んでいた。カウンターでは一瞬も目を離してはいけない選手だろう。

 スピーディな韓国の攻撃を止めつつ、小気味良いパスワークで相手のプレスをかわして主導権を握るーー。2010年以来4大会ぶりの優勝を掴むには、丁寧な試合運びが必要になりそうだ。

取材・文●多田哲平(サッカーダイジェスト編集部)