日本代表のGK3選手(左から大迫、小島、中村)

写真拡大

 第1戦・中国戦(○2-1)ではGK中村航輔(柏)がゴールを守り、第2戦・香港戦(○4-0)ではGK大迫敬介(広島)が完封勝利に貢献。熾烈な争いが続いている日本代表守護神の座だが、出番に燃えているのがGK小島亨介(大分)だ。

 森保一監督は今大会、第1戦中国戦(○2-1)と第2戦香港戦(○5-0)で先発総入れ替えを敢行。すでに登録メンバー23人のうち22人が先発出場を経験しており、ピッチに立っていないのは小島だけとなった。

 もっとも、フィールドプレーヤーは一つのポジションを2人で争っているのに対し、GKは一つの椅子を3人で争う最激戦ポジション。中学時代にGKを本格的に始めて以来、キャリア10年間に差し掛かろうとしている小島も厳しい現実は理解している。

「簡単に言えば一つしかないポジションなので、出られるか出られないか。出られれば自分の100%を出すし、出られなければ出る選手のサポートをする」。プロ1年目の今季はリーグ戦の出場なし。苦境が続く中でも自らの役割をまっとうしようとしている。

 とはいえ次は日韓戦。2018年夏のアジア競技大会でU-21日本代表の正GKを務めた小島にとっては因縁の相手だ。当時の決勝の相手は徴兵免除の大願をかけ、FWソン・フンミン(トッテナム)らオーバーエイジを組み込んできたU-23韓国代表。日本は前後半90分間を0-0で終えたが、延長戦の末に1-2で惜敗し、銀メダルに終わっていた。

「このU-22世代の試合で一番熱かったのはあの日韓戦だと思うし、あの強度を出していかないといけない。あそこが基準になっている」。当時をそう振り返った小島は「あれからさらにポジティブなトレーニングに励むことができたし、あの負けが次につながっている」と悔しい敗戦を成長につなげてきた自負がある。

「守備範囲のところはトップレベルで求められている部分ではあったので、DFの背後のカバー、クロスだったり、ゴールを守る力は広げていく意識を持ってやってきた」。日韓戦での出場が叶えば、そうした成長の跡を見せつける機会としたいところだ。

 もっとも、他のGKにも同じく譲れない事情はある。

 前回2017年のE-1選手権で正GKを務めていた中村は第3戦で韓国に1-4で敗れ、優勝を逃した過去を持つ。「理想どおりにいかない、それもサッカー」。“リベンジ”の意識はやんわり否定したが、「タイトルを取るという目的がある中で、自分の力で貢献できたら」と王座奪還へのモチベーションは高い。

 また、最年少20歳の大迫にとって小島は東京五輪代表を目指す上でもライバルとなる存在だ。日韓戦には「ライバル意識というよりは一つの試合に過ぎない。これまでやってきたことを出すだけ」と冷静な姿勢を崩さないが、一つ一つの出場機会が来年の大舞台へのテストマッチとなる。

 香港戦では守備機会が多くはなかったが、練習ではひときわ大きな声を張り上げながらチームメートとの連係を深めてきた。「タイトルがかかる1試合なので、良い形で優勝したいし、相手は勝たないと優勝がない。どんどんゴールを狙ってくると思うので、前がかってきたところを狙えるように」と優勝への意欲を燃やしている。

 公開されたトレーニングメニューではGK3人が分担して組み込まれており、現段階では起用の方向性は不透明。「誰が出てもいい準備ができている。自分が抜擢されても行ける準備はできている」(大迫)。タイトルのかかる日韓戦、GKの出番争いにも注目だ。

(取材・文 竹内達也)