厳選!2歳馬情報局(2019年版)
第30回:アドマイヤベネラ

「アドマイヤ」の冠名で知られる名物オーナー、近藤利一氏が今年11月に亡くなった。GI日本ダービー(東京・芝2400m)を制したアドマイヤベカをはじめ、多数の名馬を所有し、国内外のビックタイトルを数多く手にしてきた。

 先週も、アドマイヤマーズが海外GIの香港マイル(香港・芝1600m)を制覇。近藤氏を弔うかのように、見事な勝利を飾った。

 さらに、これからデビューする2歳馬の中にも、近藤氏が見初めた注目の2歳馬がいる。栗東トレセンの友道康夫厩舎に所属するアドマイヤベネラ(牡2歳/父ハーツクライ)も、その1頭だ。


2億3000万円で落札されたアドマイヤベネラ

 近藤氏が同馬を購入したのは、昨年の夏。競走馬のセリ市「セレクトセール」において、2億3000万円(税別)の高値で落札した。

 近藤氏がそれだけ高く評価したのは、アドマイヤベネラの血統背景からだろう。なにしろ、昨年のGI阪神ジュベナイルフィリーズ(阪神・芝1600m)の覇者で、今年の牝馬三冠レースでも人気を集めたダノンファンタジー(牝3歳/父ディープインパクト)が1つ上の姉にいるのだ。

 ダノンファンタジーは、2戦目の未勝利を勝ち上がると、続くGIIIファンタジーS(京都・芝1400m)も完勝。その勢いのまま、阪神JFも制して、2歳女王に輝いた。

 3歳になっても、GIIチューリップ賞(阪神・芝1600m)を快勝。クラシックの主役と目された。

 ただ、肝心のクラシックでは、GI桜花賞(阪神・芝1600m)が4着、GIオークス(東京・芝2400m)が5着と、善戦までにとどまった。秋になっても、GIIローズS(阪神・芝1800m)では勝利を挙げながら、牝馬三冠最終戦となるGI秋華賞(京都・芝2000m)は8着に終わった。

 それでも、能力があることは確か。古馬になってからも、重賞戦線での活躍が期待されている。

 そんな姉を持つアドマイヤベネラだからこそ、近藤氏も惚れたのだろう。そして、同馬を管理する友道厩舎スタッフの評価も高いという。その様子を関西競馬専門紙のトラックマンが伝える。

「まず、友道調教師に話を聞いてみると、『(アドマイヤベネラは)490圈500圓梁膩診呂如△笋箚砲気六弔襪發里痢能力はあると思う』と言っていました。助手の方もいい感触をつかんでいるようで、『走りそうだね。調教をするうちによくなってきた』と話しています。能力の高い馬がそろう友道厩舎の中でも、アドマイヤベネラはなかなかの評価を得ていましたね」

 また、厩舎スタッフは、姉ダノンファンタジーとの比較についてもコメントしている。先のトラックマンが続ける。

「父がディープインパクトからハーツクライに代わって、スタッフは『パワーが増した』と話していました。ただし、手脚は素軽く、姉と同じく『芝が合っていそう』とのこと。なお、姉は1800m以下に勝ち星が集中していますが、アドマイヤベネラは『もっと距離がもちそう』と、スタッフは見ています」

 デビュー戦は、12月21日の2歳新馬(阪神・芝1800m)。鞍上は、クリストフ・スミヨン騎手が務める予定だ。 スタッフの期待どおりの走りを見せ、亡きオーナーをさらに喜ばせることができるのか。アドマイヤベネラの初陣に注目である。