田中碧(写真:ゲッティ)

写真拡大

14日、E-1選手権第2戦で日本は香港に5-0と圧勝した。その試合後のミックスゾーンに田中碧は元気なく現れた。

中国戦、香港戦の2試合でボランチに起用されたのは井手口陽介、橋本拳人、大島僚太、田中駿汰、田中碧の5人。そのうち90分間プレーしていないのは、この日67分で交代させられた田中碧だけなのだ(田中駿はDFとしてプレーした時間と合わせて90分)。

いつもは明るくハキハキ話す田中碧だが、この日は小声で自分のプレーを振り返った。

「そうですね……何もなかったですけど、勝ってよかったかなと思います。(自身のプレーは)そんなくよくはなかったかなと……ミスもありましたし。そこの修正はもっと必要だったかなと思います」

交代については「ミスも多かったのでしょうがないかと思いますし、また気持ちを切り替えてやるしかないと思います」と無念さを口にした。

たぶん想像していたデビュー戦とは違う形になってしまったのだろう。「そうですね、相手も相手だったので……あっという間に終わってしまったので、次に切り替えてやろうと思います」と繰り返す。

韓国に来た直後は「自分がここで何をやれるのかというものを、毎試合強い相手に試しながらやっていきたい」と意欲を口にしていた。だがこの日は遠慮しているかのようなプレーに終始。攻守に特長を出したとは言えない。

2019年Jリーグベストヤングプレーヤー賞に選ばれた。だがそこから1週間もしないうちに試練が待っていた。田中碧にとっては、試合後に森保一監督から掛けられた「次、準備しろ」という声が救いのはずだ。

田中碧は「次に出られたら頑張りたいと思います」と元気を出して言うと、報道陣の前を後にした。

【取材・文:森雅史/日本蹴球合同会社】