広く世界でカードビジネスを展開するAmerican Express Companyはビジネスのトレンドやインサイトをオウンドメディア"Business Trends and Insights"で展開している。

Manager Retention: 7 Ways to Help Keep Your Best People Around(American Express公式Webサイト内)

ヒューマンリソースの課題は世界共通のようだ。米TalentLMSが10月に行った、サーベイではマネージャーの46%が来年に退職を考えており、61%が彼らを管理する層と"うまく働くこと"(work well with the people they manage)だと指摘している。最大で10年の経験を持つ約500人の多様な企業の管理職へのサーベイだが、部下を持ち会社の幹として働くもの半分が来年には辞めるかもしれないというショッキングな結果だ。場合によっては業績に大きく影響が出ることも懸念される。

eラーニングテクノロジーで組織学習の民主化を掲げる同社のプラットフォームは、シングルサインオン&マルチプラットフォームをクラウドで展開する。コミュニケーションからカスタマーサービスやコンプライアンスの基本からITスキル、セールスやプロジェクトマネジメントや業界別のトレーニングと広くコンテンツを提供。70,000社を超える導入実績を持っている。なお、日本のコンテンツには対応していない。公式ブログでのリサーチやインサイトの提供も活発に行っている。

管理職の61%が来年には辞めることもあり得るというこのショッキングな結果に対して、ビジネス領域からパーソナルファイナンスやホーム&ガーデン、ヘルス&フィットネスまで広く執筆実績のあるJulie Bawden-Davisさんが、American Expressの"Business Trends and Insights"に"Manager Retention: 7 Ways to Help Keep Your Best People Around"(マネージャーの維持:優秀な人材を周囲にキープする7つの方法)を寄稿している。Julie Bawden-Davisさんが紹介する7つの方法は以下になる。

1.ポジティブな社風の醸成(Nurture a positive company culture.)

管理する部下が好きというのはマネージャーが職にとどまる大きな要因になる。そのために、マネージャーも自分の意見を言える、自分の意見が尊重されるという社風は重要だ。ポジティブな社風にあるマネージャーは、自分が管理する部下に対してもポジティブ思考を広げてくれるだろう。

2.開かれたコミュニケーション(Keep lines of communication open.)

1に通じるが、自分の上司ときちんとコミュニケーションが取れると感じていれば、離職しようとは思わないだろう。マネージャーの上に立つ人は、マネージャーに仕事のやりがいは何か、やりにくいと感じていることや問題と感じることがあるかなど聞いてみるといいかもしれない。

3.やりがい( Seek managers who give a hand up.)

会社の目的が自分自身の目的に重なるところがあれば、会社にいようと思うだろう。高い報酬を得ていたとしても、意味のあること、やりがいを感じない仕事は長続きしない。マネージャーの担当分野や業務内容が、仕事を誇りに思えるようなのプロジェクトや任務になっているかを見直してはいかがだろう。

4.成功の文化創り(Make it meaningful.)

マネージャーに限った話ではないが、成功していると思える会社なら、そこで一緒に成長したいと思うだろう。成功の文化を作るにはどうすればいいか。まずは、現実的な目標設定が有効だという。目標を達成することで成功の意識が生まれ、次の目標へとつながるはずだ。

5.意思決定ができる(Create a culture of success.)

マネージャーが自分の環境の意思決定ができる環境にあることは重要だ。自分が思っている重点分野に予算を割くことができれば、3)のやりがいを感じるだろう。細かく管理しすぎると、マネージャーとしてやりたいと思っていることをやりにくくなる。

6.成長のチャンス(Give managers decision-making authority.)

マネージャーになっている時点で、上昇志向が強かったり人を管理できる能力があるということだ。この人たちに成長のチャンスを与えなければ、他にチャンスを与えてくれるところを見つけて去ってしまうだろう。大きなプロジェクトを任せてみたり、目標を与えて、実行できる環境を用意することで、マネージャーに成長の機会を与えよう。手腕を発揮してもらうことは、自社の成長につながるはずだ。

7.良いマネージャーを起用する(Offer growth opportunities.)

マネージャーを起用する段階で考えておくこともある。単に自分のキャリアだけを考えるマネージャーを雇っても、会社のためによくない。会社が成長し、その人と一緒に働く人にも良い影響が出るような人をマネージャーにするべきだ。

オウンドメディアの記事には、それぞれ過去の記事へのリンクが張ってありその論拠を補完しているが、コミュニケーションの重要性が目を引く。筆頭に挙げられているポジティブな社風の醸成(Nurture a positive company culture.)には「How to Lead a Team: Communication, Communication, Communication」へのリンクが張られ、2番目の開かれたコミュニケーション(Keep lines of communication open.)はそのものズバリだ。リンク先にはチームとのコミュニケーションがいかに重要であるか、またケース毎のコミュニケーション構築の具体例が纏めてある。

提案するJulie Bawden-Davisさんは3,000を超える記事と12冊の書籍の著者でありAmazonでもその著作を垣間見ることができるが、同氏著作の「111人の文学修士からのチャネリングライティングのヒント」(Channeled Writing Tips from 111 Literary Masters (The Channeled Masters Series Book 1)は、シェークスピア、ディケンズ、ヘミングウェイ、トルストイ、バーナードショー...と世界の巨匠からヒントや修辞法を学び取るBook。言葉(会話)や文字(文書)から生まれる修辞技法には有益なコミュニケーションのヒントが隠れているのかも知れない。