年の瀬、十代田八郎(松下洸平)は陶芸展での受賞をめざして、作品つくりに忙しかった。しかし、入選ばかりが頭をよぎり、思うようなものが作れない。年明けの出品期限も近づいている、焦りだけがつのっていった。

喜美子(戸田恵梨香)は頬がこけていく十代田を、心配そうに見ていた。そして、気分転換にと開店準備に忙しい大野のカフェに誘う。幼馴染の大野信作(林遣都)の実家で、大野雑貨店は都会風の喫茶店に生まれ変わっていた。信作の母・陽子(財前直見)が運んできたコーヒーは、十代田の作った湯呑に入っていた。

陽子は「このあったかい手触り、この色、模様、うちら家族そろって好きやねん」といい、十代田に珈琲茶碗のセットを15個ほど作ってくれないかと頼む。

開店は1月15日だ。「ちょっと待って。今から無理やん」という喜美子の心配をよそに、十代田は「大丈夫です」と快諾した。目を輝かせている。「作品作りもコーヒー茶碗もやるで!」

不安げな喜美子にこう言い放った「自分の作った茶碗を好きやと言われて救われた」

丸熊陶業に戻ると、さっそく珈琲茶碗のためのデザインを探し始めた十代田を、喜美子は不安気にみつめる。「作品づくりに煮詰まっているから、珈琲茶碗に逃げてるんちゃうの?」

十代田「僕は自分の作品があかん言われたら、自分も否定されたような気持ちになってしまう。さっきな、湯呑茶碗好きやと言われて救われた。珈琲茶碗ほしい言われたんも」

喜美子は苦しんだ末に描ける喜びを知ったと語っていた師匠の深野心仙先生を思い出した。

「作品作りに返せる、力をもろた。大丈夫。作品作りも珈琲茶碗もやるで」と、十代田は力強く言った。(NHKあさ8時)