旧車ほどではないが、過去の整備状況に左右される!

 ここのところ人気が集まりつつある90年代のクルマたち。確かに旧車ほど扱いにくいわけでもなく、日常使いも可能な快適性を持ち合わせていながら、現代のクルマにはない味わいを持ち合わせているモデルもあり、人気が集まるのも頷けるところだ。

 しかし、冷静に考えてみれば、90年代最終年の1999年ですら今から20年も前の話。よく言われる「年間1万キロ」の走行距離で考えれば優に20万キロとなってしまう計算なのだ。

 そのため、よほどの極上車でない限り10万キロオーバーというのは当たり前の年式となっている。90年代のクルマであればだいぶ信頼性も上がっているが、やはり日本人は10万キロというのを一つの区切りとして考えてしまいがち。そこで今回は10万キロオーバーの中古車を狙う時にチェックしておきたいポイントをピックアップしてみることにした。

1)どれだけメンテナンスされてきたか見るべし

 クルマというのは言うまでもなく細かな部品の集合体であり、当然個々の部品は消耗していってしまう。そのため、10万キロを超えるとトラブルが出てくると言われているわけだが、裏を返せばダメになった部品を交換してあげれば、そこからまた10万キロ走ることも夢ではないということだ。

 逆にトラブルを抱えているのにも関わらず、だましだまし乗っていたような個体では、そのトラブルが他の部分にも影響して、余計なトラブルを発生させている可能性もあり得るため、過去のオーナーがどれだけマメにメンテナンスをしてきたかをチェックしたいところ。

 基本的にきちんとした修理工場でメンテナンスを受けていれば、記録簿にその内容が記載されているので、記録簿の有無は重要なポイントとなる。ある程度自分でクルマの面倒を見られる人でない限りは過去の整備状況が不明な過走行車は避けたほうが賢明だろう。

クルマの使われ方も大事なポイントに!

2)ボディがしっかりしているか見るべし

 距離を走っている個体ということはそれだけ動き回ってきたということであり、その影響はボディにも出てきていることがある。とくにボディのサビや腐りは致命的であり、これを直そうとするとかなりの時間とお金が必要になってしまうのだ。

 雪国などで融雪剤の影響を受け続けた個体などだと、外側はキレイに見えても下回りがボロボロ……ということも少なくないので、目視できるところは地面に這いつくばってでも確認しておきたい。

 また事故歴を気にする人も多いが、車種によっては市場に存在する個体の多くが修復歴アリ、ということもあるので、しっかり直っているようであればOKと考えるのもアリだ。もちろん修復場所を確認し、そこからサビなどが発生していないかどうかも忘れずに確認しよう。

3)過去のオーナー像を想像すべし

 最近では個人情報の兼ね合いもあり、過去のオーナーがどんな人だったかを店舗から聞き出すことは難しくなっているが(そもそも業者オークション仕入れだとわからない)、クルマの状態から過去のオーナーを推測することは大切だ。

 たとえば、走行距離のほとんどが高速道路を使っての長距離移動だった個体と、ストップ&ゴーが続く渋滞路だった個体では当然前者のほうがクルマの疲労度は少ないし、サーキットでバリバリ走っていた個体と街中オンリーの個体でもまたしかり。

 乗り降りが多いとシートのヘタリが早く進むので、距離に比べてシートのヘタリが少ないとか、スポーツ系の車種であれば、タイヤハウス内やフェンダー周辺の飛び石傷が多いので走り込んでいたとか、五感をフルに動員して過去のオーナー像を思い浮かべることも必要だ。