53分に獲得したPKを自ら蹴り込み、代表初ゴールをゲット。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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[E-1選手権2019/女子]日本9−0台湾/12月10日/釜山アジアドメインスタジアム

 なでしこジャパンは12月11日、E-1選手権の初戦で台湾に9−0と大勝を収めた。

 この試合の後半から途中出場した22歳のアタッカー池尻茉由は、代表3試合目ながら2ゴール。格下相手にきっちりと結果を残した。

 ハイライトは53分。右サイドでボールを受けると敵陣深くに侵入すると、エリア内に鋭く切り込み、相手のファウルを誘ってPKを獲得。これを自ら蹴り込み、代表初ゴールを挙げたのだ。

「パスが来たら、自分でいこうと思っていました。しっかり相手をかわして、相手のファウルを誘えたかなと思います」
 
 そんな強気な姿勢が光る池尻は、女子サッカーの名門校・日ノ本学園高出身。高校卒業後は吉備国際大に進学。吉備国際大学Charme岡山高梁では、2018年に女子リーグの3部に当たるチャレンジリーグで得点王に輝いている。

 大学を卒業した今年、韓国の水原都市公社(水原WFC)に入団すると、2月末にアメリカで行なわれた「SheBelieves Cup」でなでしこジャパンに初招集を受ける。しかし全3試合に出場しながら無得点と、インパクトを残せなかった。

 それでも池尻は韓国で研鑽を積み、心身ともにタフになった。

「寮生活しているんですけど、普通この歳ではなかなかやらないと思う。ただ、そうやって海外でみんなと一緒に生活するからこそ、日本人以外の文化を知れる。すごく人としての幅も広がるし、サッカー以外の部分でもすごく成長したかなと思います」

 人間としても逞しさを増すと、8月の韓国選手権の決勝では2得点・1アシストの活躍で優勝に貢献。そして、再びこのE-1選手権で代表入りを果たすのだ。

「正直選ばれると思っていなかった。チームのために尽くした結果が代表という形になったのかなと。そこはすごく嬉しいです」

 高倉麻子監督からは「韓国でプレーをしながら、課題を持って取り組んでいた。左利きで、独特の得点感覚、相手を外す感覚は他の人にないものがある。今回見てみたいと思って呼びました」と期待を寄せられている。
 
 今回が2度目の代表招集となる池尻にとって、このE-1選手権は、指揮官の期待に応えるための貴重なアピールの舞台となる。

「今年1年韓国でやってきたことを出して、周りから成長したと思われるようなプレーをしていけたらと思います」

 だからこそ台湾戦の終盤に巧みなボレーシュートで追加点も決めてもなお、「あまり持ち味は出せなかった」というパフォーマンスに満足はしていない。

「細かいミスが多いので。そういう基礎的なところもそうですけど、もっともっと上げていかないと、メンバー争いに入っていけないと思う。一つひとつのプレーを責任もってやりたい」
 

 代表の熾烈な争いに割って入るために見せたいのが、得意だというカットインと抜け出し、そしてサイドハーフとFWをどちらもこなす柔軟性だ。

「サイドハーフで出た今日は足もとで受けがちだった。次はどんどん相手のラインを下げてスペースを作っていきたいなと思います」

 なでしこジャパンのニューヒロインになれるか。強い覚悟を持って戦う池尻に注目したい。

取材・文●多田哲平(サッカーダイジェスト編集部)

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