「ふるさとの島に橋を架ける」という夢を抱いて、東京の大手ゼネコンに就職した北野サクラと同期の仲間たちの10年間の物語である。1話1年という描き方で、それぞれの毎回の変化や成長が見どころだ。

ヒロイン・サクラの高畑充希、遊川和彦脚本は「過保護のカホコ」以来で、どこかカホコと被るイメージがある。「忖度できない」超マイペースなサクラは、その性格が災いし、入社式で社長に「話が長いと思いました」と言ってのけ、周囲を唖然とさせる。

そんなサクラと新人研修で同じ班になったのは、クールな百合(橋本愛)、野心家の葵(新田真剣佑)、アツい菊夫(竜生涼)、ネガティブな蓮太郎(岡山天音)の4人だった。バラバラだった同期の気持ちをサクラが変えていく・・・というストーリーである。

「自分のことはもう見捨てて欲しい」

前半は、毎回、1人にスポットをあて、仕事上の悩みやトラブルを抱えて追い詰められた彼(彼女)を、「忖度できない」さくらが救い、そのことで距離が縮まり、ほんとうの仲間になるというパターンで、胸アツな話も多かったのだが、第7話あたりから、徐々に暗雲立ち込めてきた。

サクラの心のよりどころだった祖父(津嘉山正種)が亡くなり、故郷の橋の建設も中止になり、呆然自失のサクラは喪失感で仕事にも行けなくなり、1年以上も休職して、引きこもりになってしまう。同期たちがそんなサクラをなんとかしようと作戦を練るが、ことごとく失敗してしまう。「ガンバレと励まされるのがツラい。自分のことはもう見捨てて欲しい」なんて言うのだ。

それでも、サクラの祖父から「サクラをよろしく頼みます」と頼まれたからとあきらめなかったら、サクラの心が動きだしたが、今度は隣の家の男の子を助けようとして車にぶつかってしまう。

第1話からサクラはずっと病院のベッドに寝たきりで、見舞いにきた同期が回想するかたちで物語は描かれてきたが、ここでようやく謎が解かれ始めた。そして、8話の最後でサクラが目覚める。いよいよ終盤。絶望の底からどう立ち上がっていくのか。最後はハッピーになって欲しい。絶妙なタイミングでかかる森山直太朗「さくら(二〇一九)」が沁みる。(水曜よる9時〜)               くろうさぎ