by Jonathan Cooper

InstagramやTwitterなどのソーシャルメディアで多くのフォロワーを抱え、情報を発信するだけで世間に大きな影響を与えるインフルエンサーの男性が、自分の欲しいドメインの所有者宅に押し入り、所有者を銃で脅してドメインを強奪したとして、懲役14年の実刑判決を受けたと報じられています。

Social Media Influencer Sentenced to 14 Years in Federal Prison after Plotting to Hijack Internet Domain | USAO-NDIA | Department of Justice

https://www.justice.gov/usao-ndia/pr/social-media-influencer-sentenced-14-years-federal-prison-after-plotting-hijack

Failed plot to steal domain name at gunpoint brings 14-year prison term | Ars Technica

https://arstechnica.com/tech-policy/2019/12/failed-plot-to-steal-domain-name-at-gunpoint-brings-14-year-prison-term/

アイオワ州立大学の元学生であるロッシ・ロラティオ・アダムス2世は、「doitforstate.com」というドメインを購入しようと、アイオワ州シーダーラピッズに住むドメイン所有者と何度も交渉していました。しかし、アダムス2世は所有者が提示した2万ドル(約220万円)という価格を支払うことを拒否したとのこと。

司法省によれば、アダムス2世といとこのシャーマン・ホプキンス Jr.は、2017年6月にドメイン所有者の家に押し入り、2階にいた所有者の頭に銃を突きつけながら、コンピューターの場所を教えるように要求したとのこと。

ホプキンス Jr.は「間違えてたらお前の頭を吹き飛ばすぞ!」と所有者を脅しながら、ドメインを強制的にアダムス2世に譲渡させ、所有者の頭を数回銃で殴打。さらに、室内にあった銃で反撃しようとした所有者の足を撃ったとのこと。ただし、ホプキンス Jr.は銃を所有者に奪われ、胸部を何発か撃たれたそうです。ホプキンス Jr.は一命をとりとめたものの、かけつけた警察に逮捕され、2018年に懲役20年の実刑判決を下されました。



by stavos

アダムス2世がそこまでしてドメイン名を欲しがったのは、アダムス2世が運営していたソーシャルメディアプラットフォームに理由があります。アダムス2世はSnapchat、Instagram、Twitterなど、さまざまなソーシャルメディアサイトで100万人以上のフォロワーを抱えており、「State Snaps」という企業を設立するほどでした。ただし、アダムス2世が発信していたコンテンツは決して健全とはいえず、その多くには「粗野な行動、酔っぱらい、ヌードに関連する若い成人の画像とムービー」が含まれていたと司法省は報告しています。

アダムス2世のフォロワーは「Do It For State!(State Snapsのためにやれ!)」というスローガンをよく使っていたため、アダムス2世は「doitforstate.com」というドメインを欲しがっていた模様。なお、所有者はState Snapの関係者ではなく、State Snapの人気を知りドメイン名を取得しただけだったそうです。

アイオワ州の連邦地方裁判所は、アダムス2世に懲役14年の実刑判決を下し、さらに9000ドル(約100万円)の賠償金と2万6000ドル(約280万円)の裁判費用を支払うよう命じました。司法省は、「裁判所は事件が保留となっている間にもアダムス2世が多額のお金をインターネットで稼いでいたことを発見しました」とプレスリリースで述べています。