右ウイングバックで先発した橋岡。献身的なプレーが光った。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 海外組が招集できないなかで、このE-1選手権の位置付けは、国内の若手や活躍した選手を試してチーム力の底上げ図るというのがひとつ。もうひとつが、韓国に勝って東アジアのナンバーワンになるということだ。海外組が多くを占める森保ジャパンのなかで、誰がそのなかに食い込んでくるのかを見極めるという点では、注目度は小さくない。

 もっとも、森保監督は五輪代表を兼任しているから、今回は7か月後に迫ったオリンピックに向けた強化という意味合いが強い。メンバー選考を見ればそれは明らかだし、開催国としてベスト4を狙わないといけないからね。

 中国と香港の実力を考えると、日本と韓国がともに2連勝で最終戦を迎える可能性が高い。そう考えても、中国戦と次の香港戦はメンバーを入れ替えて臨むのではないかと思う。

 それを踏まえたとしても、Jリーグであれだけ結果を残した横浜の仲川や勢いのある川崎の田中が起用されなかったのは、腑に落ちない。とくに仲川は横浜の優勝に貢献して、MVPにも選ばれた。その名前がスタメンにないのは寂しいし、フェアじゃない気がするね。選手の立場からしても、海外組より序列が下なのは仕方ないけど、MVPを獲っても国内組の中でも控えなら、これ以上何をアピールすればいいんだってことになる。

 もちろん、監督として好き嫌いはあるにしても、旬な選手は使ってほしいし、積極的な采配を見せてほしかった。これまでも、メンバーを固定して戦ってきたわけじゃないしね。
 
 試合を振り返ると、この程度の相手だと測れるものがなくて、先月のベネズエラ戦やU-22のコロンビア戦のように、課題が浮かび上がってこなかった。

 もちろん、この相手ならもっと点を取らなくてはいけないし、フィニッシュに持ち込むバリエーションを増やす必要があるけど、森保監督が言っていたように、Jリーグの疲れもあっただろうし、時間がなくコンビネーション不足ということもある。それを考えると、目の前の試合に勝つという最低限の目標を達成できたのは良かった。

 代表初ゴール決めた(鈴木)武蔵と(三浦)弦太のほかに目についたのは、右サイドの橋岡だ。タフにアップダウンをしていたし、守備時には素早く戻って、3バックを助けていた。逆サイドの遠藤は、もっとアグレッシブにやっても良かったんじゃないかな。
 
 武蔵の1点目をアシストした森島のセンスの良さも光っていた。あと2戦でどれだけアピールできるかだけど、今後も代表に呼ばれる存在になるかもしれない。他の選手にもそれは言えるけどね。

 中盤センターを組んだ橋本と井手口は、この相手ならもっと攻撃面の良さを発揮してほしかった。時間がなく、コンビネーションの難しさがあったのかもしれない。トップに入った上田は、コパ・アメリカの時もそうだったけど、チャンスは作るんだけど、なかなかゴールを決め切れないね。敵の裏を取る動きとか、前線からの献身的な守備とか、運動量は評価できるけど。
 
 反省点はやはり、終了間際の失点だ。人数がいたにもかかわらず、畠中のポジショニングが瞬間的に遅れ、前に入られてしまった。あぁなったら、いいボールがきたら防ぎようがないからね。あの場面でもっと寄せたほうがよかったのか、ゴール前を固めるべきだったのか、そういう共通意識を煮詰めていく必要があると思う。この失点を軽く見てはいけない。

 そもそも森保監督は、どういうコンセプトで試合に臨み、ここができた、ここができなかった、ということを発信することがほとんどない。ベネズエラ戦で、左サイドで2対1の状況を作りながら、簡単にクロスを上げられてロンドンにゴールを許したケースもそうだったけど、「あの場面ではこう守って欲しかった」というようなことをもっと会見で伝えてもいいと思う。

 そのベネズエラ戦で失点に絡んだ佐々木の起用に固執する点も疑問が残る。特別悪いわけじゃないけど、持ち上がれるわけじゃないし、パスも捌ききれない。単純な判断ミスもあったしね。そもそも年齢(30歳)を考えても伸びしろがあるわけじゃないし、次代を担う選手にチャンスを与えてもいいと思うけど……。

 次の香港戦まで中3日ある。そのなかで、森保監督の目指すスタイルをどれだけ植え付けられるか。個々の選手が、いつ代表に呼ばれてもすんなり入っていけるようにイメージを共有する必要がある。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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