遠藤(7番)と森島(14番)らが好連係を見せる。今大会の攻撃の軸にもなりうる。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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[E-1選手権2019]日本2−1中国/12月10日/釜山九徳スタジアム

 日本代表は12月10日、E-1選手権の初戦で中国を2−1で下し、白星スタートを切った。選手のほとんどが試合の3日前まで国内のリーグ戦を戦い、ようやく集合した2日前はコンディション調整にとどめ、実質練習できたのは前日のみという過密なスケジュールを考慮すれば、それなりに評価できる内容だったのではないか。

 もちろん試合のリズムがコントロールできていない点や技術的なミスなど粗さも目立ったが、それでも好材料は見えた。

 この試合のサプライズのひとつが、遠藤渓太、森島司、上田綺世のU-22代表トリオのハイパフォーマンスだろう。

 この日、森保一監督は3−4−2−1システムを選択。前半から日本は、中国の激しいチャージを受けながらも、テンポの良いパスワークで中国ゴールに迫った。そこで際立っていたのが左サイドの崩し、具体的に言えば、ウイングバックの遠藤、シャドーの森島、そしてそこに1トップの上田が絡むコンビネーションだった。
 
 森島が俊敏な動きで敵陣のスペースでパスを受けると、相手を引き付けながら、ワイドに張った遠藤へと展開。そこから遠藤が縦へと切り込み上田へとクロスを供給する。あるいは、上田がワンタッチで森島か遠藤に展開し、そこから前向きで仕掛けていく。そうしたテンポの良い攻撃が一度のみならず、何度も見られた。

 実際に29分の先制点もこの3人の働きから生まれている。遠藤が左サイド目一杯に張って中央のスペースを作り出すと、そこに引いてきた上田が、佐々木翔からの縦パスを巧みにヒールでフリック。そのボールに反応していた森島がドリブルでエリア内に侵入し、鈴木武蔵のゴールを呼び込むクロスを上げたのだ。

 流れるようなパスワークはこの日のハイライトと言えるだろう。

 アシストを決めた森島自身も、この3人のコンビプレーに手応えを抱いている。

「ボールを握る時間は少なかったですけど、そういうシーンは何回か見せられましたし、もっと時間が経てば出来ると思う。そこは擦り合わせですね」
 U-22代表で何度か揃って招集されたとはいえ、この3人が同時にピッチに立ったのは、2回、昨年3月のパラグアイ遠征のチリ戦とベネズエラ戦のみだ。それも、その2試合で計13分間ほど。ほとんど初めてに近い状態で、コンビネーションがうまくいったのはフィーリングが合っていたからだろう。

 残りの2試合でさらに感覚が合ってくれば、今大会の軸になるかもしれないし、今後代表チームのオプションとなる可能性もある。

 一方で課題を挙げるなら、相手の強みがフィジカルにあるとスカウティングしていながら、クロスを簡単に放り込まれていた守備にある。

 終盤の失点シーンがまさにその形で、アーリークロスから警戒していた長身FWドン・シュエシェンにヘディング弾を浴びた。
 
 リベロでフル出場した三浦弦太は以下のように、守備を振り返る。

「前半からいい形でプレッシャーがかけられた時は、ボールを奪えましたけど、ちょっと疲労が出てきた終盤は、ボールホルダーにプレッシャーをかけられずにフリーでクロスだったり、危ないシーンを作られていた。そこでチームとしてしっかり押し上げて、試合を通してボールにプレッシャーをかけられればよかった」

 橋本拳人らの潰しが効いていた前半は、ほとんど決定機を作られていなかったものの、陣形が間延びした後半は、ボールの奪いどころが明確ではなかった。53分にはポスト直撃のピンチを迎え、82分にはバイタルエリアで相手選手をフリーにして、あわやというシュートを浴びた。

 もっとも前述したように、まだ集まってから3日ほどしか経っていないのだから、ある程度の連係ミスは許容できる。次戦の香港戦、その次の韓国戦に向けた課題は、守備の連動性となりそうだ。

取材・文●多田哲平(サッカーダイジェスト編集部)