メイクアップ、スキンケア、ヘアケア、ボディケア、フレグランスといった化粧品市場は毎年伸び続け、2018年の化粧品市場規模(メーカー出荷金額ベース)は約1.7兆円(経済産業省)となっている。

 化粧品に注ぐ女性(若い男性も)の視線は熱く、その勢いは衰えないが、美しくなりたいという願いはどの世代も同様。インバウンドの伸びは落ち着いているが、使用アイテムは増え、国内市場は堅調に伸びている。

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注目は「バラエティコスメ」

 化粧品をどこで買うか。百貨店、バラエティストア、ドラッグストアや総合スーパー、通販、ネット通販とさまざまなチャネルで販売されているが、注目は「バラエティコスメ」。バラエティコスメというのは、数百円〜数千円の中低価格帯化粧品で、購買層も10代から50代以上と幅広い。百貨店と違い、いろいろなメーカーの商品を自分で見比べて選んだり試したりでき、気軽に購入できるセルフ販売スタイルが特徴で、ジュニア層やメンズも足を運びやすい。そのバラエティコスメを定価で販売するのが、プラザや東急ハンズ、ロフトなどだ。

 ここでは(株)ロフトの「ロフト ベストコスメ 2019」のインフルエンサー向けキックオフイベントをレポートする。

店舗とネットで2万アイテムの品揃え

 ロフトは、全国121店舗とロフトネットストアで約2万アイテムの商品を取りそろえ、そこから2019年の売上上位を「ロフト ベストコスメ 2019」として発表している。

注目のトップ5は次の通り。

 1位はUV下地クリーム「ラ ロッシュ ポゼUVイデアXLプロテクショントーンアップ」(日本ロレアル)30ml3400円(税別)SPF50+PA++++


 肌のトーンを明るくし、保湿効果もあることから人気。光を乱反射させるテクノロジーが使われ、1年中UVケアが必要といわれている昨今、注目の一品になっている。

2位は「ザ・プロダクトヘアワックス」(ココバイ)42g1980円(税別)


 体中に使えるマルチバームは天然由来原料だけでつくられ、ミツロウやシア脂がうるおいを閉じ込める。こうしたナチュラル系の商品は、意識高い系の人たちに人気だ。

 3位は「毛穴撫子お米のマスク」(石澤研究所)10枚650円(税別)


 乾燥して開いた毛穴に100%国産米由来成分ライスセラム配合の美容液を染み込ませたシートマスクをのせて、じんわり浸透させる。パッケージのかわいさも人気の要因か。

 4位は「デユオ ザ クレンジングバームホワイト」(プレミアムアンチエイジング)90g3600円(税別)


 天然溶岩であるモロッコのクレイでメイクを落としながら、古くなった角質を落とす。独自にブレンドしたホワイトセラムオイルで、潤いを与える。

 5位は「オペラ リップティントN 05コーラルピンク」(イミュ)1500円(税別)


 透明感のあるプルンとした口元になる。肌の水分に反応し発色するティント処方が、色落ちせず肌になじむ正統派のピンクをキープさせる。ティントは、韓国で人気が高いアイテムで、最近は日本の若者でも知らない人はいない。

 この他、ロフトでは28部門で各3アイテムを選定している。

 さらにバイヤーからのお薦め商品で私が気になったのが、子供から大人まで全身使える「ママバター フェイス&ボディオイルクリーム」(ビーバイ・イー)60g1600円(税別)だ。


 オーガニックシアバターとシアオイルを使用しているため、一部の商品を除き、新生児から使って大丈夫だと説明を受けた。

 メンズコスメの「バルクオム ザトナー」(バルクオム)200ml3000円(税別)


 20代から30代の購入者が多いということだが、「40代、50代の方にも、そして女性と共有で使ってほしい」と担当者のメッセージ。パッケージが従来の化粧品のようではないところが、画期的。メンズコスメ市場は昨年に比べて1.4%増加している(富士経済調査)。

 パッケージがかわいい「イルウェイ ロフト限定コフレ ルイーズ」(SHO-BI)3000円(税別)


 4人のデザイナーにパッケージデザインを頼み、それぞれの個性を際立たせた。

 「スリープデイズリカバリーレッグフィットロフト限定グレイカラー」(TWO)4980円(税別)


 ベストコスメの会場だが、ナノレベルの鉱物を特殊配合した繊維を使い、体内の熱エネルギーに反応して足をケアする靴下が置いてあった。締め付け感がなく、通気性も良く、年間通じて使えるだけでなく睡眠中もつけられるようだ。足のむくみが気になるOLが重宝するだろう。



インフルエンサーが拡散し、配信数は477万件!

 この会場、大変な熱気に満ちていた。インフルエンサーたちがこぞって写真を撮り、どんどんその場でSNSにアップしていく。12月1日時点で、#ロフトの展示会#ロフトのベストコスメ2019で検索すると、Twitter575件に対し配信数428万件、インスタグラム2091件で配信数477万件と拡散されている。

 ロフトのターゲットは30歳を中心に25歳から35歳の女性が中心だが、地域や出店方法によっても異なり、横浜や千葉は百貨店のテナントとして入っているため年齢層が上がるし、渋谷は町の特性から10代の学生などの若い世代がボリュームゾーンとなる。川崎や辻堂など駅近のショッピングセンターでは、駅を利用する通勤通学の人やファミリー層にも広がっている。一方、銀座では30代後半が増え、客単価も上がり高品質高単価商品を充実させている。

 商品部健康雑貨部メイクアップ担当の中川真理子バイヤーは「インフルエンサーの紹介によって急に売れることが多く、定番品が再注目されるようになることもあるのは現代ならではの現象ですね」と語る。会場のインフルエンサーたちは完璧にメイクして美しく着飾り、コスメを熟知しているように見える。

 また、会場のステージに登壇してトークをするのもYouTuber。古川優香さんは、個人のチャンネル登録者数は55万人、Twitter93万人、Instagramフォロワー88万人というティーンのカリスマ的存在で、会場の人たちに食い入るように見詰められていた。

 ロフトが年間ベストコスメを発表したのは、去年(2018年)が初めてだったが、この時はネット上での発表にとどまった。ベストコスメイベントとして開催したのは今回が2回目で、2019年1月〜10月までの集計をネット上で発表し、冊子を作り、同時に店頭でも企画として展開する(期間は2019年12月1日から2020年1月12日まで)。

 イベントに招待されたのは、1日を2回に分け、メディア関係者とインフルエンサー、そしてロフトアプリユーザー。アプリユーザーの応募は今回1000人ほどあり、その中から抽選で150人が招かれた。

 会場全体を歩いて感じたのは、10代などの若い世代にはティント系の自然な血色感を出すリップが、20代ではブラウンに近いオレンジ系でマットタイプのものに人気があった。ライナーやマスカラはブラウン、もう少し上の世代はオフィスで使用しても気にならない香りのフレグランス、また、保湿アイテムやシャンプーなどはナチュラル系が好まれているという傾向が見受けられた。

 その上の世代は、メイクよりも基礎化粧品でエイジングが欠かせず、メンズ市場も広がってきている。今までなかったニッチなアイテムも開発され、新商品も続々と出てきている。マーケットとしても、個人の興味としても、コスメ市場は目が離せない。