日本人の生活になくてはならない存在になっているコンビニエンスストア。公共料金の支払いからATM、各種チケットの販売、コンビニコーヒーなど、どんどん便利になっていますが、ハイテク化という視点で見てみると、アメリカのセブン-イレブンの方が一歩先を進んでいるのかもしれません。

 

30分以内のデリバリーと音声注文

アメリカのセブン-イレブンは、2017年12月にモバイルアプリ「7-Eleven NOW」(当時の名前)を発表しています。お菓子などの食料、化粧品、ギフトカードなどの商品をアプリからオーダーすると、30分以内に自宅までデリバリーされるほか、好きな店舗での受け取りができるというものです。現在は配達可能な場所に公園やビーチなどの公共の場所も追加され、配達状況も追跡可能。Apple PayやGoogle Pay、Samsung Payでの支払いもできるので、届いた商品を受け取るだけでキャッシュレスで対応できて、ますます便利になっているのです。

 

そして2019年11月に、このデリバリーサービスがGoogle HomeとAmazon Echoを使って注文することもできるようになりました。利用するときは、Google HomeまたはAmazon Echoに「7NOW」アプリを立ち上げるように指示して、あとは好きな商品を決めてスマートスピーカーに向かって話して注文するだけ。これで30分以内に商品が配達されるので、ピザのデリバリーを注文するような感覚でさまざまな商品を欲しいときに手に入れられるようになっているのです。デリバリーは毎日24時間受け付けており、初回だけ無料。このアプリはAppleのApp StoreやGoogle Playでダウンロード可能です。

また、レジなし店舗の実証実験においてもアメリカのセブン-イレブンのほうが一歩先を進んでいます。お店で買い物する際、決済はアプリ上ですべて行われ、レジに並ぶ必要が一切ないサービス「レジなし店舗」は、約3年前にアマゾンが「Amazon Go」を発表し話題となりました。日本では2019年10月からセブン-イレブンが実験店を設置し実験を始めたばかりで、ローソンは2020年から実験店舗を出店する方針を発表していますが、アメリカのセブン-イレブンでは2018年11月から実証実験が行われています。

 

「Scan & Pay」と呼ばれる実験が行われているのはダラスにある14の店舗で、支払いはセブン-イレブンのアプリ上で行い、温かい料理や各種支払いサービス、アルコールやタバコなど年齢確認の必要な商品を除いて、ほとんどの商品が対象となっています。

 

もともとアメリカはクレジットカードでの支払いが当たり前でキャッシュレス化が広く進んでいることもあるので、アプリでのデリバリーサービスやレジなし店舗などのサービスにも順応しやすいこともあるのでしょう。日本のセブン-イレブンでは今年、独自の決済サービス「7pay」が廃止となりましたが、コンビニの未来の姿はアメリカにあるのかもしれません。アメリカに訪れた際は、セブン-イレブンに出向いて日本との違いを観察してみてはいかがでしょうか?

 

自動音声がオーダーを聞き、ロボットがメニューを作り、AIがスタッフを探す。未来の「マクドナルド」の形が少しずつ明らかに