初の代表練習でもリラックスした表情で臨む。デビュー戦ではどんなパフォーマンスを見せてくれるだろうか。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 JリーグMVPが満を持して代表の舞台にのぼり立つ。横浜のJ1制覇の立役者となった快足アタッカー仲川輝人だ。

 アンジェ・ポステコグルー監督の攻撃的なスタイルにハマった今季は、シーズンを通して15得点を挙げ、チームメイトのマルコス・ジュニオールとともに得点王にも輝いている。

 そんな活躍が評価され、12月10日から開幕するE-1選手権でついに初の代表入りを果たした。しかも与えられた背番号は「10」。いきなりエースナンバーを託されるあたりに、大きな期待が見て取れる。

 もちろん周囲から持て囃されている分だけ、仲川自身も小さくない責任を感じている。

「今季は良い結果を残して、それで代表にも呼ばれたと思うので、数字という結果を日本代表としても残さなければいけない。今回はE−1選手権ですけど、日本代表のプライドを持ってやらなければいけない。そういう責任感は増しましたね」
 
 これまで全日本大学選抜に選ばれた経験はあっても、世代別代表に選ばれた実績はなかった。それでも初めての代表活動に緊張をしている様子は一切ないのは、今年1年で自信を深めたからなのだろう。

「代表ではシステムややり方が、マリノスとは違ってくるかもしれないですけど、それでも短い期間のなかでやらなきゃいけない。しっかりコンセプトを理解して、それを試合で表現しないといけない。それが代表選手のやるべきことだと思う。やるべきことをしっかりやって、それでいて結果を残すということを自分としては求めていきたい」

 チームの約束事を守りながらも、自分の持ち味を出すという、いわば“自己表現力”は横浜で磨き上げてきた。リーグトップのゴールを奪えたのは、なにも得点だけにこだわっていたからではない。チームのピンチとなれば一目散に帰陣し、プレスバックを行ない、時にはSBのカバーにも回った。横浜が攻撃的なスタイルを貫けたひとつの要因が、こうした仲川の献身性だったはずだ。そのうえでゴールを量産したからこそのリーグMVPなのだろう。
「マリノスは特殊なサッカーをしているんですけど、ハードワークという部分では、代表でも、マリノスでも求められている。そこはしっかり出していきながら、自分の特長を出していければいいかなと」

 横浜と同じように守備を怠らずに、攻撃で圧倒的な違いを作れるのか。中川にとって、この代表戦はある意味で、今年横浜で培ってきたものを出す、集大成の場と言える。
 
 代表入りが発表された時、森保一監督からは次のように評されている。

「まずは得点。そしてチームでの存在感。代表に相応しい活躍をしている。11月の活動でもJリーグから初招集の選手を選ばせていただきましたけど、仲川も同様に、これから代表の戦力になり得るだけの選手だと思っています」

 仲川は本当に代表に相応しいのか。横浜でしか輝けないのではないか。そんな疑念を払しょくし、リーグMVPの価値を証明するために、仲川は代表のピッチに足を踏み入れる。

取材・文●多田哲平(サッカーダイジェスト編集部)

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