中国戦の予想スタメン。鈴木と仲川はシャドーでコンビを組む可能性も。(C)SOCCER DIGEST

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 12月9日、日本、韓国、中国、香港の4か国で東アジアの王者を決めるE-1選手権が開幕。日本代表は初戦で中国と対戦する。

 国際Aマッチデーでの開催ではないため海外組は呼べず、今大会の招集メンバーは全員が国内組で、しかも半分以上がU-22世代の若手主体という構成となっている。それも7日までJ1リーグがあった影響で、8日はコンディション調整がメインで、実質的に練習で合わせたのは9日のみ。戦術を落とし込む時間がほとんどないまま、この中国戦に挑むことになる。

 そうした状況で問われるのは、選手個々の判断力。佐々木翔、三浦弦太、畠中槙之輔の3バックなど、それなりにA代表経験のある選手であれば、「このシチュエーションならチームとしてこう動く」という基本戦術を理解しているかもしれないが、初招集の選手に、それを望むのは難しい。いかに選手個々が局面に応じて、ベストなプレーを選択できるかが、この試合のポイントとなる。

“ぶっつけ本番”とも言える試合の鍵を握るのは、スピードが持ち味の鈴木武蔵と、Jリーグトップクラスの突破力が魅力の仲川輝人か。チームワークの成熟が図れていない現状では、やはり分かりやすい武器がある“個の力”が重要になるだろう。

 中国メディアでは「日本はフルメンバーではなく2軍を連れてきた」とも報じられているが、そうした懐疑的な声を一気に払拭するほどの、特大のインパクトを残してほしい。
 
 もっともチームワークを度外視するわけにはいかない。ゲームを進めながら組織の骨格を作っていくのも、この試合のテーマになる。

 その際に重要になるのは、ボランチの大島僚太か。柴崎岳という絶対的な司令塔がいない今大会で、川崎のポゼッションスタイルを支えるパサーのセンスに懸かる期待は大きい。大島のパスにチームメイトが呼応し、動き出せるようになれば、自ずと主導権は握れるだろう。
 
 一方で、日本にとっての朗報は、中国代表の状況が芳しくない点だ。フィリピンとスコアレスドローに終わり、シリアに1−2で敗れるという11月のワールドカップ予選の結果を受けて、今年1月に代表監督に復帰したばかりのイタリア人指揮官マルチェロ・リッピが再び辞任を発表したのだ。

 E-1選手権ギリギリの退任劇となったため、後任はいまだ決まっていない。広州恒大や河北華夏などを率いたリー・ティエ氏が、今大会は暫定的に指揮を執ることになっている。
 

 またメンバーについても日本と同様に海外組は呼んでおらず、11月のワールドカップ予選の時とは大きく変わっている。中国屈指の点取り屋ガオ・リンや、今年帰化して中国代表となったブラジル出身ストライカーのエウケソンも招集を見送られている。

 まずは、チーム内のゴタゴタに揺れる中国を叩いて波に乗りたいところだ。そのうえで、森保一監督が言う「個々の成長」が見られ、「日本サッカー全体の底上げ」につながるような戦力が発掘できるのが理想だろう。

取材・文●多田哲平(サッカーダイジェスト編集部)

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