8日、E-1選手権に臨む日本代表が韓国・釜山で初練習を行った。選手たちが異口同音に「寒い」という現地は、気温がほぼ1桁。その中で7日の試合にフル出場した選手たちは軽めのトレーニングだけで切り上げた。

J1リーグ優勝チーム、横浜F・マリノスから現在の日本代表に最も呼ばれている畠中槙之輔は、余韻に浸る暇もなくチームに合流し汗を流した。

「(優勝が決定した)昨日はグッスリ寝ました。夜10時ぐらいまで(優勝関連の行事を)やっていたのですが、そこで逆に眠気が出ました」

「チームでタイトルを取れたことは凄くうれしかったですけど、また代表という違う活動でタイトルのかかった試合があるので切り替えてやりたいと思います」

このE-1選手権はその後の代表チームに定着できるかどうかの試金石となってきた。畠中も十分その認識は持っている。

「どういう状況でも、どういう大会でも自分のプレーをして結果を出さないと、この先も、ワールドカップだけじゃなくて生き残れないと常に覚悟を持ってきているので、そこは変に意識せずやれればいいかと思います」

もっとも今回は明日が前日公式練習、明後日には試合という、ほぼぶっつけ本番で挑むことになる。しかも森保一監督は4バックも3バックも試しそうだ。

「いろんな戦術に合わせられるというのはありますけど、選手同士で合わせていかないとやっぱり連携が出来ないと思いますので、そこは頑張らなければいけないと思います。(4バックか3バックかは)深く考えすぎずやれればいいかと思います」

また今回、森保監督からは畠中も含まれる年齢が五輪世代以上の選手たちに「世代の融合を目的とした活動にしたい。僕たちが今までやって来たことを背中で見せられるように前に立ってほしい」という要望があったそうだ。

即席メンバーとのコンビネーション、複数のシステムへの対応、若い世代へのリーダーシップ、そして試合の結果と、畠中に求められる要素は多い。そのぶん、この3試合で畠中が力を発揮できれば、得るものは多そうだ。

なお、現地の釜山では駅にもスタジアムにもバナーなどなく、盛り上がりはこれからといった状況になっている。現在の緊張した日韓関係の影響だが、報道陣が駅で困っていたり、練習場への道がわからずに戸惑っていると、すぐ周りの人が助けてくれるなど反日感情は見られなかった。

【取材・文・写真:森雅史/日本蹴球合同会社】