フェデラーが過去16年で最短で敗れた試合が1位に。2019年男子テニスの「番狂わせ」ベスト5〜ツアー編〜

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ATP(男子プロテニス協会)が2019年に行われたツアーの試合のうち、番狂わせとなった試合ベスト5を選出し紹介している。

■第5位「ATP250 アントワープ」2回戦
○ヤニク・シンネル(イタリア) 6-3、6-2 ●ガエル・モンフィス(フランス)
18歳のシンネルは対戦当時の世界ランキングは119位。対する33歳のモンフィスは世界13位。わずか61分でモンフィスを破ったシンネルは、2019年初のランキングが551位だったにも関わらず、一気にランキングを駆け上がると「Next Gen ATPファイナルズ」で優勝。現在のランキングを78位としている。


■第4位「ATP500 リオデジャネイロ」1回戦
○ラスロ・ジェレ(セルビア) 6-3、6-3 ●ドミニク・ティーム(オーストリア)
当時世界90位のジェレが、クレーコートでラファエル・ナダル(スペイン)に次ぐ実力者ともいえる当時世界8位のティームをストレートで撃破。ジェレはその勢いのままに同大会で優勝し、7年前に亡くなった母親と、2ヶ月前に亡くなった父親に対し「このトロフィーを両親に捧げたい。2人が天国で僕を見守っていてくれるのでしょう」と感動的なスピーチを行った。


■第3位「ATP1000 パリ」2回戦
○ジェレミー・シャルディ(フランス) 4-6、6-2、6-4 ●ダニール・メドベージェフ(ロシア)
8月の「ATP500 ワシントンD.C.」から出場6大会連続での決勝進出という快挙を成し遂げていた当時世界4位のメドベージェフを破った当時世界65位の地元のシャルディ。試合後には「いくつかの大会でいいプレーをしてきた。素晴らしい試合もしたが、スリリングな試合で負けもした。そして、このように一年の総仕上げをできることは素晴らしいことだ」と喜びを爆発させた。


■第2位「ATP1000 インディアンウェルズ」3回戦
○フィリップ・コールシュライバー(ドイツ) 6-4、6-4 ●ノバク・ジョコビッチ(セルビア)
35歳のコールシュライバーは、それまで世界1位の選手との対戦では0勝11敗だった。しかし過去に1勝8敗、約3年ぶりの対戦となった当時世界1位のジョコビッチをストレートで撃破。当時世界39位のコールシュライバーはこの勝利を「1位を破ることはとても特別なことです。本当に特別な勝利だと思います」と喜びを語った。


■第1位「ATP1000 シンシナティ」3回戦
○アンドレイ・ルブレフ 6-3、6-4 ●ロジャー・フェデラー(スイス)
同大会7度の優勝を誇り、前年準優勝である当時世界3位のフェデラーを、予選勝者の世界70位のルブレフが61分で破る快挙を成し遂げた。これほどの短時間でフェデラーが敗れるのは、2003年の「ATP250 シドニー」1回戦でフランコ・スキラーリ(アルゼンチン)に54分で敗れて以来。


強い選手、スター選手が勝つ姿はもちろんだが、こうして思いがけない勝者が生まれてくるのも、テニスというスポーツが魅力的な一面だと改めて感じるランキングとなった。


テニスデイリー編集部)


※写真は1位に選ばれた「ATP1000 シンシナティ」でのルブレフ(左)とフェデラー(右)
(Photo by Adam Lacy/Icon Sportswire via Getty Images)