多額の損失を計上する会社が出てきている(デザイン:熊谷 直美)

「先行投資が長く続いてきたわれわれは、まるで売れない芸人みたいなものなんです」

長期にわたる赤字をどうとらえているのか。認識を尋ねた記者に、ぷらっとホームの鈴木友康社長は自社をそう形容した。

ぷらっとホームはサーバーやシステム構築を主な事業とする上場会社だ。2000年7月の株式上場後、初年度の2001年3月期こそ1.4億円の最終利益を計上したが、翌2002年3月期から2019年3月期までは最終赤字が続く。連続赤字の年数は18に達した。鈴木社長は2001年6月から現職を務める。

長き下積み生活を経てブレークを夢見るように

稼ぎの少ない自分をかいがいしく支えてくれるパートナーとともに、日の目を見るそのときまでつらい日々を耐え抜く――。長き下積み生活を得てブレークするお笑い芸人の姿に、鈴木社長は自社を重ね合わせているのだろうか。

12月9日発売の『週刊東洋経済』は「最新 危うい会社リスト」を特集。企業の抱える将来リスクを測るため、のれんなどの「疑似資産」や経営トップの信任など7つの指標ごとに「危うい会社」をリスト化した。


同特集では連続赤字記録を更新している会社も調査。5期以上連続赤字の会社をリストアップした。その1位になったのがぷらっとホームだ。

ぷらっとホームの18年間での累計最終赤字額は73億円に上る。これだけの赤字を垂れ流すことができたのは、上場時の公募増資で74億円を調達していたからだ。

売れない芸人の例え話に引きつけていえば、同社の株主はさながら芸人を支えるパートナーというところ。その株主の期待は上場当初大きかった。

ぷらっとホームの上場直前の決算は0.27億円の最終黒字。その同社に331億円の企業価値(公募価格)がついた。1000倍超の株価収益率(PER)は高い成長期待の証しだった。

しかし、現在まで株主の期待は裏切られている。足元の2019年9月中間期も0.8億円の最終赤字となっている。

今年11月には20年3月期の通期見通しを期初時点の黒字予想から1.6億円の最終赤字に修正した。IoT事業の受注が本格化せず、売上高計画が未達となったのが理由だ。

同社は業績予想の下方修正も18年連続で行っている。期初時点では14回の黒字予想を出してきたが、期中に下方修正、最終赤字での着地が定番化している。

鈴木社長の弁明は、特集記事で詳述しているのでそちらを読んでもらいたいが、株主からするとそろそろ売れて活躍する姿をみせてほしいところだろう。

「よい赤字」の企業ももちろんある

次ページには連続赤字を続けている会社のランキングを掲載した。『週刊東洋経済』による集計では、ぷらっとホームを筆頭に5期以上連続で最終赤字を計上した上場会社は47社あった。

その中には、巨額の先行投資を要し、長期間の赤字が避けられない事業を行う会社もある。典型的なのは新薬開発に代表されるバイオベンチャー。ランキングにはアンジェスなど19社入っている。薬が完成して販売されれば巨額の利益を生み出す可能生も秘めている会社だ。

単に長期間の赤字といっても、展望のない「悪い赤字」もあれば、将来の飛躍につながる「よい赤字」もある。それを念頭にランキングを参考にしてもらいたい。


(編集部註:外部配信先ではランキング表を全部閲覧できない場合がありますので、その際は東洋経済オンライン内でお読みください)

『週刊東洋経済』12月14日号(12月9日発売)の特集は「最新 危うい会社リスト」です。