厳選!2歳馬情報局(2019年版)
第29回:アクニディ

 2歳牝馬のGI阪神ジュベナイルフィリーズ(阪神・芝1600m)が12月8日に行なわれる。重賞勝ち馬をはじめ、ハイレベルな面々が顔をそろえ、来春のクラシックを占ううえでも、重要な一戦となる。

 一方で、来年春の大一番を目指して、これからデビューを迎える評判馬もいる。美浦トレセンの尾関知人厩舎に所属するアクニディ(牝2歳/父ディープインパクト)も、その1頭だ。

 彼女が注目されるのは、兄に重賞勝ち馬のダノンチェイサー(牡3歳/父ディープインパクト)がいるからだ。


アクニディの兄、ダノンチェイサー

 同馬は、1歳時に競走馬のセリ市「セレクトセール」に上場され、2億5000万円(税別)という高値で取引された。母がヨーロッパとアメリカのGIを勝っている名牝サミターで、父がリーディングサイヤーのディープインパクトとなれば、それだけの評価を受けるのも当然なのかもしれない。

 実際、ダノンチェイサーは血統馬らしい走りを見せた。デビュー戦こそ、4着に敗れたものの、続く未勝利戦を快勝。その後、500万下(現1勝クラス)特別で惜しくも2着となるも、次戦で同条件を突破し、5戦目でGIIIきさらぎ賞(京都・芝1800m)に出走した。

 粒ぞろいのメンバーがそろうなか、ダノンチェイサーは道中2番手から直線で楽に抜け出して勝利。2着以下に2馬身差をつけての完勝で、重賞タイトルを手にした。

 春のGI戦線では、牡馬クラシックには向かわず、GI NHKマイルC(東京・芝1600m)に参戦。直線で大きな不利を受けながら、4着と健闘した(5位入線からの繰り上がり)。以降は、休養に入っているが、復帰後の飛躍が大いに期待されている。

 そのダノンチェイサーの全妹となるアクニディ。管理する尾関調教師は、同馬に対してどんな印象を持っているのか。関東競馬専門紙のトラックマンがその点について伝える。

「アクニディは、馬体重が370埖罎箸なり小柄です。そのため、強い調教はあまりできないようですね。それでも、実際に追い切ると『思った以上に、終(しま)いまでしっかり伸びた』と尾関調教師。小柄のハンデはありますが、光るものはありそうです」

 デビュー戦となるのは、12月8日の2歳新馬(中山・芝1600m)。同レースへの登録馬は多かったものの、無事に抽選を突破した。それを受けて、先述のトラックマンはこう語る。

「馬体が小さいので、除外で出走延期になるのは、大きなリスクを伴います。そういう意味では、抽選を通って、予定していたレースに出走できるのはよかったと思います。運も向いているのではないでしょうか。

 体は小さいものの、体質の弱さがあるわけではありません。気性も悪いところは見当たらないようですから、あとは実戦でどれだけの走りをするのか、注目です」 この秋のGI菊花賞(京都・芝3000m)では、馬体重340圓靴ない3歳牝馬のメロディーレーンが、ひと回りも、ふた回りも大きな牡馬相手に5着と奮闘した。同様に、小柄のアクニディが初陣で圧巻の走りを見せてもおかしくない。良血であることを思えば、なおさらだ。