これは難しい戦いになる──E−1選手権に臨む日本代表だ。

 J1で優勝に最接近する横浜F・マリノスの仲川輝人が初招集され、U−22日本代表世代が初代表も含めて12人を数える。FWは小川航基、上田綺世、田川亨介の3人ともにU−22日本代表世代、すなわち東京五輪世代である。

 期待感を寄せる報道もあるが、現実は厳しい。森保一監督はどんな試合でも「勝利するために最善を尽くす」と繰り返してきたが、今回ばかりは難しいと言わざるを得ない。

 発表された22人のなかに、コアメンバーがひとりもいないからである。表現方法を変えれば、チームの勝敗に責任を背負ってきた選手がひとりもいない。

 代表チームで新戦力をテストする前提として、チームのコンセプトを理解している選手の存在があげられる。いわゆるセンターラインにレギュラークラスかそれに準じた選手がいて、テストされる立場の選手が脇を固めるようなチーム構成が望ましい。経験の少ない選手が持ち味を発揮するには、「こうなったらこうする」といった共通理解が不可欠だからだ。

 12月4日に発表された22人のなかで、海外組を交えた編成でもスタメンに食い込んできたのは橋本拳人だけだ。その彼にしても、不動のレギュラーではない。国際Aマッチ出場は6試合である。橋本より国際Aマッチの出場数が多い室屋成と三浦弦太は、レギュラー格ではない。

 ヴァイッド・ハリルホジッチ元監督の指揮下から代表入りしてきた井手口陽介、ロシアW杯代表の大島僚太らにしても、日本代表で中心メンバーとしてプレーした実績がほとんどない。好パフォーマンスを見せた試合はあるものの、彼らより経験を持った選手の下支えがあったことは見落とせない。

 しかも、2度の練習で10日には中国との第一戦を迎える。東アジア選手権と呼ばれていた当時から変わらないが、助走なしのぶっつけ本番になる。

 リオ五輪世代として培われたコンビネーションや、東京五輪世代で磨いてきた連携はもちろんある。所属チームで高めてきた組み合わせも持ち込める。中国、香港、韓国も、(実際のところは)勝負より若い選手に経験を積ませる機会としているかもしれない。

 それでも、勝利の裏付けとなる材料は乏しい。

 チームとしての練度を拠りどころにできないだけに、問われるのは個人の頑張りである。最低限の原理原則を共有したなかで、一人ひとりの選手がしっかりと答えを見つけられるかだ。

 違う角度から今回のメンバーに光を当てれば、国際舞台で戦えるのは誰なのかがはっきりする、と言うことはできる。自己解決の能力を持った選手は誰なのかが、間違いなく明らかになるだろう。経験豊富な選手が見当たらないなかで、リーダーシップを執れる選手が出てくるのかも浮き彫りになる。その意味では、興味を抱かせるメンバーと言えるかもしれない。

 試験的要素に満ちたメンバーだからこそ、森保監督の人選と采配も問われる。日本代表としては2019年の締めくくりとなる3試合で、指揮官にも頼もしい姿を見せてほしいのである。