知っている歴史上の人物の恋物語であるが、映像で見せられるとひときわショックを受ける。エドワード8世とシンプソン夫人の恋。「王冠を捨てた恋」として有名だが、シンプソン夫人は特に美人でもなく不思議。想像するに極めて知的で教養があり、イエスマンのお付きばかりの環境の中でエドワード8世の頭脳を占領したのか。

ナチスドイツの広報マン、宣伝相のゲッベルスの妻マグダは、ヒトラーに心酔するあまり、あらゆるヒトラーの要求に従った。一種のナチス病に洗脳された女と言えないこともないが、ヒトラーの宣伝政策のために「よき家族」を演じ、可愛い子供を5人も産んだのである。だが、ナチス崩壊の時、ヒトラーの自決と同時に、可愛い盛りの子供たちを全員殺害して道連れにしたのだ。地べたに並べられた子供たちの死せる映像はまことに見るに忍びなかった。

後1件は元女優のグレース・ケリーとモナコ公国のレーニエ国王の恋である。全く知らなかったのは、グレースがハリウッド女優として大成功して幸せ一杯だったのかと思っていたがそうでもなく、少女時代から長女に期待する父親に愛されない淋しい子供時代を過ごしたのだという。だから、恐らくオスカーを受賞しても父親からはあまり褒められなかったのだろう。わずか50代で交通事故死した彼女の生涯は「美人薄命」そのもので、ダイアナ妃を彷彿とさせる。いつもながらこのシリーズのテーマ曲は素晴らしい。(放送2019年11月30日21時〜)

                

(黄蘭)