今シーズンのセリエAは絶対王者ユベントスでさえも、ホームでライバルに足下をすくわれる試合がある。 (C) Getty Images

写真拡大

 ホームのチームが有利とみられるのは万国共通だ。だからこそ、アウェーゴールが2倍にカウントされるというルールも存在する。

 だが、イタリア紙『Gazzetta dello Sport』は12月4日、セリエAにおけるホームチームの獲得ポイントが、かつてないほど低下していると報じた。

 記事によると、勝点3制度が導入された1994-95シーズン以降、ホームでの獲得ポイントの割合は、ほぼ常に60%を上回っていた。2003-04シーズン(58.7%)を除き、20年のうち19年で6割以上をキープしている。

 しかし、2014-15シーズン以降は、60%を下回っている。そして今シーズンは、14節を消化した時点で52.3%と過去最低を更新するペースという。その他の欧州主要リーグを見ても、リーグ・アンが64.4%、ラ・リ−ガが61.3%、プレミアリーグが55.6%、ブンデスリーガが53.7%と、いずれもセリエAを上回る数字を残している。

 ホームの利が失われつつあるのはなぜか。数々のクラブを率いた経験を持ち、現在はヴィチェンツァで指揮を執るドメニコ・ディ・カルロ監督は、アウェーチームのメンタリティーとビデオアシスタントレフェリー(VAR)の影響を指摘した。

 ディ・カルロ監督は、「まずは勇気の問題だ。今の指揮官たちは、どの場所でもいつでも結果を残そうとより攻撃的なビジョンを持っている。かつては、試合会場によってはただ守ることだけを考えていたものだ」と持論を展開している。

 さらに、同監督は、「ジャッジがホーム寄りではなくなった。VAR導入により、どんな順位の状況で、どんな試合会場であっても、ペナルティーエリアの中で倒されればPKだと分かるようになったんだ」と続けた。

 一方、かつてインテルで活躍したジュゼッペ・ベルゴミは、「監督たちのメンタリティーが変わった」との見解を示している。

「自分たちがプレーし、勝利を目指すということを望むようになっているんだ。そして、特にアツいところでアウェーの選手や審判がやりづらくなるような環境的要因がなくなった」

 実際、ヨーロッパ・サッカー連盟(UEFA)は、現在、アウェーゴール制度の見直しを検討している。そうしたなかで、今シーズンのセリエAで現れている傾向は、その議論に拍車をかけるかもしれない。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部