ノルマと営業的数値目標の違いは?

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 半世紀前には想像すらできなかったが、コンビニの24時間営業は日常に溶け込んでいる。利用者からすれば便利だが、加盟店のオーナーは身内が亡くなろうとも休業できないという。今年に入り営業時間の見直しが実施され始めたなかで、コンビニ本部の社員による無断発注が明るみに出た。

 無断発注が発覚したのは、業界最大手のセブン−イレブン・ジャパンだ。無断発注は内規違反というが、24時間営業が原因と指摘する専門家も少なくない。

「実は、昔から無断発注はあったのです」

 とは本部に反旗を翻し、24時間営業を止めたセブン−イレブン東大阪南上小阪店のオーナー、松本実敏氏だ。

「社員が無断発注を行うのは、ノルマ達成のためです。半ば強制的に仕入れさせますが限界があるので、社員のなかには自腹を切って商品を買う“心ある人”もいる」

ノルマと営業的数値目標の違いは?

 こんな問題が起きるのも24時間営業の弊害か。仮にアンケートを取った場合、100%近くの人が24時間営業を支持するだろう。が、絶対に必要かと問われたら、“必要”と答える人はそれほど多くないのではないか。

 経済誌の流通業界担当記者によれば、

「人手不足などの問題もあり、コンビニの24時間営業は限界にきている。すでにファミリーマートは、一部店舗で営業時間を午前7時から午後11時までにすると発表し、ローソンは営業時間短縮ばかりか、一部店舗では休業日を認めている。一方、セブンはポーズだけで24時間営業を継続したいとの本音が見え隠れし、ライバルよりも動きが鈍いのが現状です」

 そんななかで社員の無断発注が発覚したわけだ。

 セブン&アイ・ホールディングス広報センターに聞くと、

「24時間営業と無断発注には、因果関係はないと思います。ノルマはありませんが、社員が無断発注を行った原因の一つに“営業的数値目標”がプレッシャーになったのではないかと考えています」

 評論家の唐沢俊一氏は全店一律での24時間営業は不要と説きつつ、

「24時間営業で、我々の生活リズムが変わったのです。昔は夜中にタバコを買うのもひと苦労で、自動販売機を探して街をさまよった経験のある人もいるでしょう。今では深夜でもコンビニへ行けば簡単に買える。営業時間を7時から11時までに戻せば、多くの人が閉店時間までに買い物を済ませるようになりますよ」

 そろそろ営業時間見直しに本腰を入れて、看板通り「セブン−イレブン」の原点に立ち返ってはいかがか。

「週刊新潮」2019年12月5日号 掲載