腰を据えてじっくりと目を通すだけで無く、ちょっとした時間の合間にもニュースを取得したくなる思いは多々生じる。だからこそかつて電車やバスの中では多くの人が新聞を手にして目を通し、職場や待合場でも新聞は大いに人気を博していた。しかし今ではスマートフォンやパソコンを用い、ニュースをもっと手軽に、リアルタイムで取得する人が多分に及んでいる。人々が求めるものはニュースそのものであり、新聞紙ではなかった次第である。ではインターネットでニュースを読んでいる人は、どのような機器を利用しているのだろうか。今回は財団法人新聞通信調査会が2019年11月2日に発表したメディアに関する全国世論調査の結果をもとに、その実情を確認していくことにする(【発表リリース:第12回メディアに関する世論調査結果】)。
今調査の調査要綱は先行記事【じわりと下がるメディアへの信頼度、民放テレビは持ち直しか(最新)】を参照のこと。

先行する記事で解説しているが、今調査対象母集団においてインターネットを用いてニュース(と回答者が認識できる情報)を取得している人は全体で66.8%、「毎日」の閲覧頻度で限れば42.8%に達している。その人たちに、インターネットでニュースを見る際にどのような機器を用いているのかに関し、複数回答で尋ねた結果が次のグラフ。


↑ インターネットニュースを見る時に使用する機器(複数回答、見る人限定)

スマートフォンあるいは従来型携帯電話を用いている人が88.2%で最上位。多分にスマートフォンであることは容易に想像ができるが、今調査では分離した形での問い合わせをしていないため、実情は不明。次いでパソコンが33.8%、タブレット型端末が12.3%と続く。「その他」は家庭用ゲーム機やスマートテレビだろう。

今件の使用機器を「モバイル(従来型携帯電話、スマートフォン、タブレット型端末)のみ」「パソコンとモバイル」「パソコンのみ」に区分した上で、男女・年齢階層別に確認したのが次のグラフ。あくまでもインターネットニュースを読んでいる人、つまり少なくともインターネットを利用している人に限定した割合であることに注意。


↑ インターネットニュースを見る時に使用する機器(見る人限定、属性別)(2019年度)

モバイルの利用率は男性よりも女性が高く、パソコンは男性の方が高い。それぞれ日常生活・就業時の利用傾向がそのまま反映されている。

年齢階層別では、全層がインターネットニュースを見るのはモバイルのみの人がもっとも多い。70歳以上ですら、パソコンのみの割合を上回っている。おおよそ年が上になるに連れてパソコンとモバイルの併用やパソコンのみの人の割合は増えていくが、モバイルのみの人を超えることはない。いかにインターネットニュースとモバイルの相性がよいかが改めて認識できる。特に18-19歳では9割以上がモバイルのみで、パソコンを使ってインターネットニュースを読んでいるとの回答者が皆無なのには、驚きを覚える人もいるに違いない。

余談になるが、これをインターネットニュースの利用者ではなく、全体比を算出した結果が次のグラフ。それぞれの機器の普及率も反映されたもので(該当端末を利用する立場になければ、当然インターネットニュースを見ることはできない)、利用実態を把握するのにはこちらの方が分かりやすいかもしれない。


↑ インターネットニュースを見る時に使用する機器(全体比、属性別)(2019年度)

全体比でも18歳-40代は過半数がインターネットニュースをモバイルのみで見ている。パソコン使用者(パソコンのみとモバイルとの併用者の合算)は一番多い50代でも34.2%に留まっている。パソコンとの併用も合わせたモバイル利用者では、30代は9割を超え、7割超えなら18歳-50代となる。モバイルの利用者におけるインターネットニュースを見る頻度までは分からないものの、端末の利用傾向からは、決して低い頻度では無いことは容易に推測できる。インターネットニュースにおけるモバイルの利用実情として、大いに注目すべき結果には違いない。