英ロンドン近郊のワトフォードで開かれた北大西洋条約機構(NATO)首脳会議で、集合写真の撮影に臨む首脳ら(2019年12月4日撮影)。(c)drian DENNIS / AFP

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【AFP=時事】英ロンドン近郊で行われた北大西洋条約機構(NATO)首脳会議は4日、2日間の日程を終えて閉幕した。NATO加盟国の首脳らは最終日、互いの個性や政策をめぐり衝突。会議は加盟国間にある深い溝を取り繕う試みとともに終了した。

 今回の会議はNATO発足70周年の節目に合わせて開催された。終了に当たっては、ロシアとテロの脅威に連携して対抗することを明言し、中国の台頭を課題として認識する内容の共同宣言が採択されたものの、各国間の確執は最後まで残った。

 バッキンガム宮殿(Buckingham Palace)で前日開かれた開幕イベントでは、カナダのジャスティン・トルドー(Justin Trudeau)首相を含む首脳らがドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領によるとりとめのない記者会見をやゆする様子がカメラに捉えられた。

 トランプ大統領はこれに激高し、トルドー首相を「裏表がある」人物と非難。予定されていた最後の記者会見を中止し、帰国の途に就いた。ただ会議の成果については満足した様子を見せ、防衛費負担を増やすよう欧州の同盟諸国を説得できたことや、バルト3国とポーランドの防衛計画の更新に反対していたトルコを翻意させたことについて豪語した。

 フランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領は会議に先立ち、NATOは「脳死」状態だと発言。新たな戦略を策定することや、ロシアとの対話を再開すること、イスラム過激派のテロに焦点を定め直すことを訴えていた。

 一方、トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領は加盟各国に対し、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の掃討に協力したシリア北東部のクルド人武装勢力に対するテロ組織指定に同意するよう要求。これが受け入れられなければ、バルト3国防衛計画の更新を阻止すると警告していた。

 マクロン氏はこの要求を拒否し、テロに関するトルコの懸念については配慮しているものの、「異なる政治的・軍事的組織」を混同はしないと表明した。

 ただ加盟29か国の首脳は最終的に、「ロンドン宣言(London Declaration)」の採択で合意。エルドアン大統領は、トランプ大統領との予定外の直接会談の後、防衛計画更新への反対を取り下げた。

 同宣言では、中国がもたらす戦略的課題が増大しているとの認識を初めて明示したほか、テロ対策での協調強化の必要性を強調。また、ロシアの行動次第では同国と「建設的関係」を築く可能性があるとの見解を示した一方、ロシア政府による中距離核ミサイル配備の脅威も強調した。

【翻訳編集】AFPBB News

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