このほど、中国政府高官は香港大紀元に対して、香港選挙の大敗について習近平氏ら指導部はショックを受けていると語った(ANTHONY WALLACE/AFP/Getty Images)

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11月、香港の区議会選挙では民主派が85%の議席を占める圧勝となった。北京上層部に近い消息筋は香港大紀元に対して、習近平国家主席が「惨敗」にショックを受けていると明らかにした。また、香港情勢について中国指導部に判断の誤りがあり、「これといった解決策もない」と考えているという。

香港で半年余り続く反中国政府運動は、香港市民の自由が失われるとの危機意識が高まった。投票率は71%と香港の中国返還以来で最高記録となり、その結果は民主派候補が18地区の計452議席のうち388議席を得る大勝となった。

12月3日、香港大紀元は、北京の政治中枢である中南海の高官からの情報を独占入手した。それによると、習主席は香港の選挙結果にショックを受けている。中南海はいま、混乱の最中にあるという。また、共産党指導部の判断ミスは大きく、対策を見つけることができないという。

香港区議会議員選挙の前、海外と香港の中国専門家は、中国共産党が建制派(親中派)の「不利な情況」のために、選挙を取り消すかもしれないと推測していた。

しかし、選挙は予定通りに行われた。消息筋によると、林鄭月娥長官が、選挙を取り消せば内外からの批判がさらに高まることを懸念したという。いっぽうで、林鄭氏は、市民がもう「火炎瓶の飛び交う街にうんざりしており、早く通常の生活を取り戻したいと考えている」と信じていたため、選挙結果も親中派に有利に働くと安易にみていたという。

選挙前、香港メディアである香港大紀元、蘋果日報(アップルデイリー)以外のメディアは、警察の鎮圧を擁護し民主派の暴力を批判する親中共派の意見を表す広告および論調を出していた。

情報筋によると、区議会議員選挙の期間中、中連弁(中国共産党政府の駐香港連絡事務所)と香港マカオ連絡事務所、林鄭長官は「選挙に勝てる」と状況を誤って判断し、中央政府に報告して、予定どおりの選挙実施を要請したという。特に、林鄭長官は実施にこだわり、「抗議者が納得して負けを受け入れて欲しい」と話していたという。

また消息筋は、中国政府の選挙の事前予想では、1票を500元(約8000円)で買収することができるため、その買収分は前回選挙の3倍多い120万票を親中派に確保できると見積もった。

また、11月24日の投票日に、中連弁の職員が早朝、投票所に向かう途中、親中派が多いとされる高齢者が投票所に行っているのを見て、「建制派の優勢」を北京に伝えたという。

少なくとも7つの親中派の香港メディアが、選挙の「建制派勝利」の下書きを済ませていた。中連弁が「勝利」とメディアに伝達していたからだという。

海外中文メディアによると、共産党官製紙の人民日報や中国日報(チャイナデイリー)も「勝利」の原稿を用意していた。

中国日報はソーシャルサイトで投票日当日「今回、香港で投票への熱意が非常に高いのは、人々は早期に混乱を鎮めたいと思っているからだ」と解説していた。

消息筋によると、いま、香港の選挙結果を受けて、共産党上層部は依然として「どう処理すべきかわからない」状態だという。

この消息筋は、中南海の決定は、選挙の2週間前に起きた、中文大学と理工大学の「占拠」および道路やトンネルの閉鎖という抗議活動により、市民の不満は頂点に達していると考えていた。「なぜ大敗という事態に陥るのか」と、信じがたい結果だという。実際、学生たちは大学から撤退する際にも香港警察の暴力に遭い、撤収できない事態にあり、10万人の市民が物資を送ったり車両やバイクで送迎したりして、学生たちの退出に尽力したとされる。

台湾のシンクタンク顧問・董立文氏は、台湾中央通信社に対し、習近平氏は選挙前に林鄭氏と会談した際、彼女が率いる香港政府を「深く信頼し、全面的に認めている」と発言し、「香港情勢を間違って判断したようだ」と述べた。

北京の独立政治アナリストの呉強氏は、香港の世論と民主主義の政治システムに対する理解の欠如が、判断ミスを招いていると指摘する。また、中連弁や香港マカオ連絡事務所、香港拠点の親中メディア、プロパガンダ部門、スパイから、事実と異なる情報が北京に伝わっているとした。

10月、フィナンシャル・タイムズは、中国共産党と30年近い交流を持つ米国高官が最近、訪中し、「政治局員を含む上層部は下から偽の情報を受け取っている」ことに驚いた、と報じた。「非常に質の悪い情報しか届いていない。下の人が嘘ばかりついている」

報道は、習近平体制後、中国共産党は権威主義システムを強化し、反体制派を抑圧し、インターネットなどで情報検閲と統制を行っていることに原因があるとした。また、下から上への報告は、上層部が「聞きたい話」しかないという。

(翻訳編集・佐渡道世)