出費がかさむ年末年始は、少しでも上手にやりくりしたいもの。「出費にブレーキをかけるために家計簿をつけているけど効果はサッパリ…」と悩むESSE読者の家計を、ファイナンシャルプランナーの前野彩さんが診断。問題点を指摘してもらいました。

買い物大好きで貯まらない家計を改善!




食から日用品までとにかく買い物がやめられないTさん。相談者はTさん(36歳)。夫(31歳)、長女(1歳)の3人家族で、3LDKの分譲マンション住まいです。食べることとショッピングが好きで、外食を楽しんだり、なんでも買いすぎてムダにしがち。

「自分にブレーキをかけるために家計簿をつけていますが、効果はサッパリ…」と悩みます。


年末においしいものを食べたり、家族旅行をするため、前野さんのアドバイスを実践して家計を立て直せるように努力します。

●Tさんの家計を診断

夫の月収(手取り) 290,000円
児童手当 15,000円
収入合計 30,5000円
住宅費 100,000円
食費 55,000円 ←check1
外食費 30,000円 ←check2
電気料金 8,000円
ガス料金 6,000円
水道料金 2,500円
通信費
(携帯電話2台分) 9,000円
(プロバイダー) 4,400円
日用雑費(食費に含む) ←check3
レジャー・交際費 20,000円
子ども費(ミルク・オムツ代など) 5,000円
こづかい(夫) 30,000円
こづかい(妻) 0円 ←check4
生命保険料(夫) 13,000円
生命保険料(妻) 3,000円
学資保険 15,000円
貯蓄 0円 ←check5
支出合計 300,900円
収支 4,100円

クセになった買い物が、家計を圧迫する原因に!



これらの5つの問題点を見ると、食べ物、日用品、服などをついつい買ってしまうクセが、家計を圧迫している一因と前野さんは指摘。なぜこうなっているのか、Tさんに詳しく聞きつつ、前野さんにコメントをいただきました。

<check1 食費>

1.お菓子やスイーツも食費に計上している

お菓子やスイーツが好きで、新製品が並ぶコンビニに通ってはあれこれ買って食費に計上。
「自分の息抜きのために買うおやつは、こづかいから出すのが基本。こづかいの予算がないことが、ムダ買いを助長していますね」

2.ムダ買いが多く冷蔵庫は常にパンパンに…


外出すると必ずスーパーに寄って買い物して、冷蔵庫はパンパンの状態です。


いつ買ったかわからない冷凍肉が奥から出てきて、夫に怒られたことも。
「買い物回数が多いとムダも増えます。目的なく店に行くクセを直しましょう」(前野さん)

<check2 外食費>デリバリーなどをよく利用し、外食費がかさんでいる


週末に家族で外食に行ったり、ママ友が遊びに来るとデリバリーを注文し、外食費は3万円。
「ママ友との食事は、こづかいから出すべき。ときにはランチなどを持ち寄って楽しむようにしましょう」(前野さん)

<check3 日用雑費>今使わない日用品を大量にストック


安売りの際に「いずれ使うから」とワンサイズ上のオムツを買い、結局は今必要なサイズがたりなくなって買いたし。
「多少割高でも、今必要なものを必要なだけ買う方が経済的ですね」(前野さん)

<check4 こづかい(妻)>買っただけで着ていないタグつきの服がある


洋服を衝動買いすることが多く、似たような服がタグつきのままクローゼットに散乱。
「手持ちの洋服を把握しないまま、どんどん買っているのは大問題。予算を決めていないことも、重複買いが増える原因に」(前野さん)

<check5 貯蓄>

1.ボーナスでなんとか貯金している

月によって夫の収入が増減するので赤字の月もしばしば。赤字をボーナスで補填して、残ったボーナスをやっと貯めている状態。
「子どもの幼稚園や習い事の月謝がかかるようになる前に、赤字を解消しておかないと大変です」(前野さん)

2.年間のイベント支出をチェックしよう

ボーナスに頼りきりのTさんの家計。
「ボーナスは自動車税や旅行費などにも必要です。年間のイベント費を書き出すと、自由に使えるお金はじつは多くないと気づくはず。毎月の貯蓄とボーナス時の貯蓄アップを目指して」(前野さん)

<チェックするイベント>
・誕生日
・旅行
・年払いの保険
・税金
・家族で楽しむ行事

買い物が多い人はコレ!「店別レシートBOX」で買い物傾向をチェック



「Tさんのように、買い物や外食が好きで出費が増えてしまう人におすすめなのが、店別レシートBOXです」と前野さん。


「やり方は、『スーパー』『コンビニ』『ドラッグストア』『外食』など、よく行く店(場所)別にボックスをつくり、買い物から帰ったらレシートを入れていくだけ。1週間が終わったら、ボックスごとにレシートを数えましょう」

たとえば、コンビニのレシートが5枚あったら、1週間に5回コンビニで買い物したということ。
「家計簿で計算しなくても、レシートの数を数えただけで『行きすぎかな』と気づきますよね。そこから、『来週は行くのを半分に減らそう』などと対策も立てられます」

5円、10円と節約するより、買い物や外食の回数を減らす方が無理なく、効率よく出費カットに!
「レシートを見直してムダに買ったものに印をつけ、次回から買わないようにするのも効果的です」

ボックスさえ用意できればあとは手間なし。気軽にトライしてみましょう!

店別レシートBOXの使い方



1:自分がよく行く店ごとにボックスをつくる


よく行く店を「スーパー」「コンビニ」「ドラッグストア」「外食」「その他」などに分類し、シールなどでラベリング。
「たまにしか行かない店は『その他』にして」

2:買い物後にレシートをボックスに入れる


買い物から帰ったら財布からレシートを取り出しボックスに入れます。
「レシートが出ない店は合計金額だけでもメモしてボックスに入れておくようにしましょう」

3:1週間分のレシートを数える


1週間が終わったら、それぞれのボックスのレシートを数えます。
「レシートが5枚あれば、5回行ったということ。全体の枚数も数えると、自分の買い物の頻度がわかります」

<こんな気づきが!>
いつもなんとなくしていた買い物が、いかにムダをうんでいるかを実感することに!

気づき1:レシートの枚数で買い物回数を実感


1週間で20軒も・・・レシートの合計枚数でお金の使い方がわかるのがメリット。Tさんも「外食だけで5枚、全部のレシートの枚数が20枚も! とにかく買い物のしすぎです」と猛反省。

気づき2:必要のなかったレシートが多すぎ


この外食はムダだったレシートを見直しムダな出費に印をつけたら、同じ失敗を繰り返さないことが大事。
「つくるのが面倒で頼んだデリバリーなど不要な支出を把握できました」

Tさんの家計改善ポイントは3つ



自分の出費の傾向をつかむことで、効果的な対策が立てられました。

●妻のこづかいは1万円でやりくりする


妻のこづかいは、月1万円と枠を決めて予算化。ここにママ友とのランチ代や洋服代、美容費などを含めます。
「家計財布とは別に、こづかい財布をつくりましょう。予算を入れたら、使えるのはそれだけ」

●服を売って家計のたしに!


着ていない洋服は、ネットやリサイクルショップで売って家計のたしにするのも手。
「不要な服がなくなれば、クローゼットもすっきりして見やすくなり、重複買いも自然と減ってくるはずです」

●“お買い得”という言葉にだまされない


安いからと買い込むクセを直して、必要なときに必要な分だけ買うという習慣に。
「買い物に行く前に必要なものをメモしましょう。これだけの手間で、お買い得の言葉に惑わされなくなります」

【結果発表!】Tさんの家計はこう変わった!



「毎日買い物しなくても暮らせると気がついた」というTさん。食費と日用雑費を大幅に減らし、2万9000円を貯蓄に回せました!

夫の月収(手取り) 290,000円
児童手当 15,000円
収入合計 30,5000円
住宅費 100,000円
食費 40,000円
外食費 20,000円
電気料金 8,000円
ガス料金 6,000円
水道料金 2,500円
通信費
(携帯電話2台分) 9,000円
(プロバイダー) 4,400円
日用雑費(食費に含む)
レジャー・交際費 10,000円
子ども費(ミルク・オムツ代など) 5,000円
こづかい(夫) 30,000円
こづかい(妻) 10,000円
生命保険料(夫) 13,000円
生命保険料(妻) 3,000円
学資保険 15,000円
貯蓄 0円
支出合計 275,900円
収支 29,100円

買い物の回数が減り、食費と外食費に加え日用雑費も大幅減。
「残り物で料理をつくるのは楽しめたし、夫も協力的になって一石二鳥です」(Tさん)

また、無買デーの効果がここにも出て、ママ友とのランチ代や洋服代も減りました。
「レジャー費1万円で家族で楽しむ方法を夫と話し合っています」

<撮影/山川修一 イラスト/平松昭子 取材・文/ESSE編集部>

【監修/前野彩さん】

ファイナンシャルプランナー。養護教諭からFPに転身。家計簿に挫折した経験から、簡単で効果的な家計管理の方法を考案して評判に。テレビでも活躍中。著書に『本気で家計を変えたいあなたに〈第3版〉』
(日本経済新聞社刊)など