台湾一の高層ビル台北101 (DANIEL SHIH/AFP via Getty Images)

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オーストラリアに亡命した中国共産党の元スパイ王立強氏はこのほど、中国諜報当局が台湾一の超高層ビル、台北101に情報拠点を設けており、同氏の上司、香港の中国創新投資会社会長の向心氏はビルの9階にオフィスを構えていると語った。同ビルには多くの香港企業や中国資本の企業が入居している。

王立強氏は豪州メディアのインタビューで、自身が中国共産党のスパイとして台湾に浸透工作を働いていたほか、2020年の総統選に向けて台湾に複数の情報拠点を設立し、そのうちの1つが台北101にあるホテルだったと話した。

11月24日、台湾滞在中の向心氏と妻の龔青氏は台北地方検察によって出国を制限された。王立強氏は向心夫婦が中国共産党の上級スパイだと述べた。

王立強氏は中国語メディア・看中国に対して、向心氏は1993年、中国軍副総参謀長、副総理を歴任した聂荣臻氏の娘・聂力とその夫・丁衡高上将の依頼を受け、香港で「中国創新」と「中国趨勢」の2社を買収したと述べた。軍民融合技術と通信技術の取得、製品の購買などを行なっている。

2社は当時の中国国防科技工業委員会に所管され、「対香港・台湾のスパイ活動の拠点と司令塔」として機能していたという。

台湾メディアによると、夫婦はこの数年、頻繁に台湾を出入りしているという。2017年に台北市信義区の豪邸2軒を現金で購入したとされている。今回は別の不動産を購入するため台湾を訪れた。

台湾メディア・信傳媒の報道によると、経済専門家の汪潔民氏は、向心氏が購入した信義区の豪邸は捷運(新交通システム)象山駅にあり、台北101の近くにある。同ビルには中国銀行、中国工商銀行、中国民生銀行、中国建銀銀行など、多数の中国企業が入居しているという。

「商業週刊」2016年4月の調査によると、台湾の大手ハイテク企業(宏達電、聯立科、華碩)などのIT人材の多くが、台北101に入居する中国資本の企業に引き抜かれた。

例えば、83階の雪豹科技(レオパード科学技術)は、2年間で250人以上をスカウトした。その親会社は中国のアプリ開発会社レオパードモバイル。21階の明辨科技には、中国国有企業・清華紫光集団が投資を行い、1年間で80人のソフトウェア人材を集めた。

王立強氏は看中国のインタビューで、中国共産党は台湾に50数社のインターネット会社と生放送チャンネルを開設し、各メディアの領域を全方位に浸透させることに成功した。「多くの主な責任者がわれわれの金を受け取り、協力を約束した」

その中でも、王立強氏と直接つながっている人物は30人もいるが、その中にはメディアのトップ、大学総長、政治家、黒社会のリーダーなども含まれており、「彼らの仕事は、われわれのスパイ活動と浸透を助けてくれることだ」と王立強氏は主張する。

王立強氏は、台湾の世論を誘導するため、中共当局は台湾の中天、中視、東森、TVBSなどのメディアに大金を投じたと明かした。「台湾メディアを使って宣伝し、台湾でメディアとメディアの対立を煽ってきた」

両岸政策協会の研究員・張宇韶氏は大紀元中国語版に対して、国家安全部門の話によると、向心氏が台湾を訪れるたび、台湾駐在の中国メディアの記者、国有企業のトップ、台湾の企業家と面会していると述べた。

「国家安全部門はこの2、3年間、台北101と向心氏の動きを追っている」

(翻訳編集・李沐恩)