動画投稿サイト「YouTube」を通じて、漫画作品を権利者に無断でアップロードし送信できる状態にしていたとし、北海道札幌市の会社員・30代男性が著作権法違反の疑いで熊本地検八代支部に送致された。ACCS(一般社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会)が12月3日に明らかにした。

ACCSによると、男性は、平成31年4月、講談社「進撃の巨人」第116話と、集英社「ONE PIECE」第328話をYouTubeに無断アップロードしたとされている。これを熊本県警の捜査員がサイバーパトロールで発見し、ACCSを通じて著作権者に連絡した。男性は、自ら誌面を撮影して投稿していたほか、他の違法アップロード動画を入手・加工して転載していたと見られ、著作権(公衆送信権・出版権)を侵害した疑いが持たれている。男性は令和元年11月8日に、熊本地検八代支部に送致された。

今回の事件で鑑定・告訴を行った講談社と集英社は、「携帯端末のみで簡単に動画を投稿できるため、安易に違法投稿をしてしまう傾向にあるようだ。著作権侵害として刑事事件の対象となるため注意して欲しい」と注意喚起している。YouTubeへの違法と見られる漫画アップロードは後を絶たず、対策が叫ばれ続けているものの、未だにYouTube内を検索すれば容易に見つけることができる。

YouTubeには漫画をスライドショー形式に加工した動画がいくつもアップロードされており、すべてが公式による投稿とは思えない。動画には広告も貼られており、金銭目的で違法アップロードされた漫画という恐れがある。(画像にはモザイクをかけています)