「代表監督として日の丸のために死ぬ気で戦う」との思いを胸に戦ってきたラモス瑠偉監督(右)と、今大会7得点を挙げた茂怜羅オズ(左)。

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 ラモス瑠偉監督率いるビーチサッカー日本代表が、ビーチサッカーワールドカップの3位決定戦(日本時間2日午前4時15分キックオフ)に臨んだ。世界ランク2位の優勝候補ロシアを相手に接戦を繰り広げたが、最後は刀折れて矢も尽きて、メダルにわずかに届かなかった――。

 幸先は良かった。第1ピリオドの4分。FP茂怜羅オズのアシストでFP赤熊卓弥が先制ゴールを決めた。その後、8分台に2失点を喫したが、FP赤熊のゴール、FPオズのゴールで逆転に成功。しかし、1点リードで迎えた第3ピリオド。日本代表に異変が起きたことを指揮官のラモスは見逃さなかった。

「リードした状況で『このまま終わってくれたらいい』と思った選手がけっこういた。自分のやるべきことに迷いが生じ、そこから焦りの気持ちが生まれ、その焦りをコントロールできなくなってしまった」(ラモス監督)

 浮足立った日本を相手にロシアは鋭い攻撃を仕掛け、連続ゴールでリードすると、巧みなボール回しや、日本のミスを誘ったりと試合巧者ぶりを発揮。日本選手はボールを追いかけさせられて体力を失い、40歳の最年長FP田畑輝樹が「ゲームコントロールができなかった」と悔やんでも、あとの祭り。4ー5と逆転されてからは抵抗らしい抵抗もできないまま、タイムアップの笛の音を聞いて無念の4位となった。

 2016年の年末に脳梗塞に倒れたが、ファミリーの献身的な支えと自身の懸命のリハビリによって驚異的な回復を見せた。昨年2月にビーチサッカーの代表監督に就任したが、炎天下の砂浜での練習、海外への飛行機移動など不安は尽きなかった。それでも「ビーチサッカーの人気を盛り立てたい。代表監督として日の丸のために死ぬ気で戦う」と決意。3月にタイで行なわれたワールドカップ予選を兼ねたアジア選手権を制した。

 ベスト4は、ラモス監督が指揮を執った2005年の第1回ワールドカップ以来の好成績とはいえ、「第1回ワールドカップは招待されての参加だった。今回のベスト4には”アジア王者”として乗り込んだうえで獲得した勲章。今回のほうが価値がある。本当に嬉しい。選手には感謝の気持ちしかない」と神妙な面持ちで話した。
 ラモス監督について、代表選手たちは次のように語っている。

【GK照喜名辰吾】
「ワールドカップに連れてきてくれたのはラモス監督。”魂のこもった”サッカーでベスト4に引き上げてくれました」

【FP山内悠誠】
「まずは”戦争を戦うよな気持ちでプレー”がベースとして第一にあります、その上に戦術などが乗っかり、そのほかに選手個人の意見を取り入れてくれます。選手の持っているサッカー観を尊重してくれます」

【FP後藤崇介(帯同メンバー)】
「戦術云々ではなく、まずは気持ちが前面に押し出てきます。全員攻撃の全員守備。選手全員が協力し合うチーム作りです」

【FP茂怜羅オズ】
1年半後のロシアワールドカップまでに世代交代も必要。ラモスさんにはもう1回、ワールドカップで采配を揮って欲しい。ラモスさんがいるのと、いないのとでは全然パワーが違う。もう一度、ワールドカップに行きましょうと頼んでみようかな」

取材・文●絹見誠司