東邦出版が入居しているビル(帝国データバンク撮影)

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 東邦出版(株)(TDB企業コード:987623326、資本金1000万円、東京都新宿区西早稲田3-30-16、代表保川敏克氏)は、12月2日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請した。

 申請代理人は山田晃久弁護士(東京都千代田区内幸町2-2-3、弁護士法人中央総合法律事務所東京事務所、電話03-3539-1877)ほか1名。

 当社は、1979年(昭和54年)4月に設立された出版社。『種牡馬事典』など競馬関連書籍をはじめ、『バリバリマシンLegend』などオートバイ関連書籍、そのほか、スポーツ、IQ関連、自己啓発、健康、エッセイ・文芸など幅広い分野の書籍を出版。特に競馬関連書籍に実績を有するなど一定の知名度を有し、2015年3月期には年売上高約8億7100万円を計上していた。

 しかし、近年は出版不況に加え、電子化も影響し、雑誌関係の売り上げが落ち込み、2019年3月期の年売上高は約7億3400万円に減少。損益面も外注費が嵩み低収益を余儀なくされていたことに加え、過去の累積損失によって財務内容も債務超過の状況が続くなど厳しい運営を強いられていた。このため、役員報酬をはじめ経費削減に努めたほか、WEB媒体への移行に注力するなど経営改善に努めたものの奏功せず、また、11月に入り、密接な取引関係にあったグループ会社が経営破たんしたことで、先行きの見通しが立たなくなったことから、法的手続きによりスポンサーを募り再建を目指すこととなった。

 負債は2019年3月期末時点で約6億8900万円。