お金をかけずにクリスマスの飾り付けを楽しむにはどうすればいいか。消費経済ジャーナリストの松崎のり子氏は「100円均一ショップをうまく活用すれば、大きなツリーを出さなくてもさみしくない」という。クリスマスらしさを格安で演出する方法を紹介しよう--。
撮影=松崎のり子
100均のカゴに、ミニツリーやサンタ、オーナメントを入れて飾りに。お菓子を詰めてもいい - 撮影=松崎のり子

■ミニツリー、サンタの衣装、ペット用グッズもある

今年もあとわずか。街並みはどこもクリスマスのデコレーションで輝いている。消費増税の影響で外食より内食の傾向が高まり、節約志向も根強い。令和初のクリスマスは家で家族や大事な人とささやかに過ごす予定の人が多いのではないか。

そういう人の心強いアシスト役になるのが100円ショップだ。もともと、シーズンアイテムは100均の得意とするところ。店頭をのぞくと、真っ先に赤・緑・ゴールド・クリスタル等キラキラしたクリスマスグッズが飛び込んでくる。クリスマスリースにツリー用のオーナメント、スノードームや点灯させればキラキラ光を放つミニツリー。サンタに変身できる衣装やトナカイのカチューシャ、ペット用のクリスマスグッズまで、見ているだけでうきうきする。わずか100円からという低コストで、家をクリスマスモードに簡単にチェンジできるのだ。

むろん、オーソドックスに部屋にツリーやリースを飾って楽しむのもいい。しかし、100均アイテムを使って、もっと手軽にクリスマス気分を味わえるアイデアを考えてみたい。

■25日後に訪れる「片付けの悪夢」

個人的な思い出を語ると、筆者はかつてクリスマスが大好きだった。ツリーは大中小サイズの3本も持っていたし、各ツリーのサイズに合わせてオーナメントも大中小と別々にそろえた。しかも、「今年のテーマカラーは赤」「今年はゴールドとクリスタル」などと年々買い足したので、お金はかかるわグッズは増えるわという雪だるま状態。

今もその頃買ったもので衣装ケース一つがびっしり埋まっている。窓にクリスマスモチーフのシールを貼ったり、スノースプレーでデコレーションをしたり……。豪邸でもないのによくやった。

盛り上がっているうちはいいが、キラキラの魔法が切れた25日後に悪夢が待っている。デコレーションの後片づけだ。年末の大掃除初日はツリーの飾りつけを外すことから始め、窓のスプレーを落とすのも一苦労だった。

それに懲りて、最近ではすっかり巨大ツリーは飾らなくなり、昔買ったオーナメントも物置で休眠状態になっている。筆者と同じように「クリスマスは楽しいけどツリーの片づけが面倒」という人は多いはずだ。また、このシーズンにしか使わないクリスマスグッズで収納スペースを占領するのもバカバカしい。

■シールを使って「クリスマスコーナー」を作る

(1)画用紙とシールで作るオリジナルな飾り

ならばいっそ、100均グッズでワンシーズンだけ楽しみ、すっきり処分してしまうという考え方もありだと思う。大きなツリーだって、いちいち出したりしまったりするのは面倒だ。100均アイテムをうまく使えば、ツリーなしでもクリスマスらしさは十分演出できる。

雰囲気づくりに役に立つのが、ラッピング用のシールや、壁に貼って楽しむウォールステッカーだ。柄には、サンタやツリー、プレゼントにトナカイ、雪のモチーフなど、そのままクリスマスのワンシーンになるものがたくさんある。

まずは画用紙など台紙を用意して、これらのシールやステッカーを好きな位置に張り付ける。子供と一緒に構図を考えて、家族で貼っても楽しいだろう。それを100均のフォトフレームや、大ぶりサイズの額に入れて飾れば、簡単にクリスマスコーナーが出来上がる。ポストカードサイズのフォトフレームを3つ並べて飾っても、押しピンで壁に飾ってもいい。

撮影=松崎のり子
ステッカーを画用紙に貼り、フォトフレームに入れれば完成だ - 撮影=松崎のり子

また、これなら片付けも楽ちんだ。ウォールステッカーは壁に貼ると後ではがす手間がかかるが、紙に貼っているだけだからそのまま処分すればいい。もし、シールの使い残しがあっても、サンタやツリー、トナカイやプレゼントなどのクリスマスモチーフは翌シーズンも使える。1シート100円なのだから、いろんな柄を買っても懐は痛まない。コスパ最強のアイテムと言えるだろう。

■小さなツリーを「箱庭式」で飾ってみる

(2)手のひらサイズのアイテムをカゴに大集合

100円ショップにはツリーやリースもあるが、さすがに大きさに限界がある。手のひらサイズのツリーやスノードーム、マスコットだと、そのまま飾るといまひとつ迫力がない。こうしたものは、つるで編んだカゴや木製のボックスなどを一緒に買って、その中にまとめて飾る「箱庭式」にするのはどうだろう。箱やカゴにまとめる際は、ツリーやマスコットなど一つメインになるアイテムを決め、その周りに小さなオーナメントを配置する。一緒にキャンディーや個包装のチョコとクッキーなどお菓子を盛り込んでも子供が喜びそうだ。

この方法だと器ごと移動できるので、玄関や窓辺に飾ってもいいし、食事の時はテーブルに置いてもいい。飾る場所を簡単に変えられるうえに掃除もラクだ。

押しピンでとめるだけで、簡単に壁にミニ棚がつけられる商品も売っているので、そういう棚にアイテムを集合させて飾ってもいい。

撮影=松崎のり子
カゴにミニサイズのツリーを入れて、ポインセチアの造花を手前に載せただけ。総額300円(税別) - 撮影=松崎のり子

(3)ツリーの飾りは「ガーランド」におまかせ

「とはいえツリーは飾りたい」という時に試してみたいのが、ガーランド。長いひもにサンタや雪の結晶などのおなじみのクリスマスモチーフが下がっていて、窓辺や壁につるして飾るのが通常の使い方だ。これを壁ではなく、ツリーにぐるりと巻き付ければ、それだけでさまざまなモチーフが楽しめるオーナメント代わりになる。

何種類ものグッズを買う必要がないのでこれまたコスパがいい。木製ピンチ付きのガーランドもあるので、ツリーに巻いた後に、クリスマスカードや小さなお菓子を挟んでつり下げることもできる。ぐるりと巻くだけだから、飾り付けもその後の片付けも、どちらも手間がかからない点がうれしい。

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ガーランドはつるすだけではなく、ツリーに巻き付けてオーナメント代わりにしてもいい - 撮影=松崎のり子

■ホームパーティーで「楽」するアイテムがそろっている

(4)クリスマス仕様の皿や紙コップを調達

クリスマスディナーやホームパーティーも一大イベントだ。メニューやセッティングに凝り過ぎると気疲れするし、そのわりに参加者の反応がいまいちだとがっかりしてしまう。手をかけ過ぎず、力を抜いて自分も楽しむつもりがちょうどいい。クリスマス料理も100円ショップのお助けアイテムの力を借りれば、豪華なごちそうを準備しなくてもちゃんと映える。

売り場にはさまざまなクリスマス柄のプレートや紙コップ、ピックやコースターがそろっているのだ。いつもの唐揚げやハンバーグだって、器の力でごちそうに変わる。それに使い捨ての食器を使えば後片付けも楽ちんで、家族でゆっくり食事を楽しむこともできるだろう。

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筆者がこの冬購入した、クリスマス柄の皿と割り箸 - 撮影=松崎のり子

(5)小さな袋にお菓子を詰めてプレゼント

小さなお子さんのいる家庭では、友達とのクリスマスパーティーにお菓子を持ち寄ることも多いだろう。気軽な集まりなら、大袋のお菓子を数種類買い、中身を組み合わせてクリスマス柄の袋に入れて配ってもいい。

クリスマス柄の小袋がなければ、袋の口を閉じるときにツリー用のオーナメントを巻き付けると一気に雰囲気が出る。無地の袋をクリスマス柄のシールでデコレーションをしてもいい。小ぶりのオーナメントやクリスマス柄のシール類は、デコ用にもラッピング用にも、あれこれ使える頼もしいアイテムだ。

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無地の封筒でも、松ぼっくりのオーナメントをクリスマス柄シールで貼ればパーティー仕様になる - 撮影=松崎のり子

100円ショップのおかげで、クリスマスの準備はずいぶん楽に、そしてお金がかからなくなった。「そのぶんクリスマスプレゼントのほうに回してね」と言われそうでびくびくするが、ともあれ良きクリスマスをお過ごしください。

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松崎 のり子(まつざき・のりこ)
消費経済ジャーナリスト
雑誌編集者として20年以上にわたり、『レタスクラブ』『レタスクラブお金の本』『ESSE』などのマネー記事を担当。現在は雑誌やWebを中心に生活者目線で執筆中。また、「節約愛好家 激★やす子」のペンネームでも節約アイデアを研究・紹介している。著書に『お金の常識が変わる 貯まる技術 』(総合法令出版)、『「3足1000円」の靴下を買う人は一生お金が貯まらない 』『定年後でもちゃっかり増えるお金術』(講談社)。著者公式サイト→【消費経済リサーチルーム】
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(消費経済ジャーナリスト 松崎 のり子)