韓国の文喜相(ムン・ヒサン)国会議長=(聯合ニュース)

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【ソウル聯合ニュース】韓国文喜相(ムン・ヒサン)国会議長が強制徴用問題の解決策として準備している、いわゆる「1プラス1プラスアルファ」法案の慰謝料支払いの対象に、慰安婦被害者を含まない案を検討していることが1日までに分かった。

 文議長は韓日両国の企業、国民が参与する「記憶・和解未来財団」(仮称)を設立し、強制徴用・慰安婦被害者に慰謝料を支払うことを骨子とする「対日抗争期強制動員被害調査および国外強制動員犠牲者などの支援に関する特別法」制定案の発議を準備している。当初、慰謝料支払いの対象に慰安婦被害者まで含める「包括立法」形態を構想したが、慰安婦被害者は含まず、強制徴用被害者に限定する方向に舵を切ったとされる。

 慰謝料支払いの対象に慰安婦被害者を含めることについて、関連団体が「謝罪しない日本政府に免罪符を与えることになる」と強く反発しており、与野党の国会議員たちも否定的な見解を示したことを踏まえた措置とみられる。

 法案準備のため、先月27日に開かれた文議長と与野党議員10人との懇談会でも「慰安婦被害者は法案から除外すべき」との意見が出ており、文議長は「受け入れる」との立場を示したとされる。

 国会議長室関係者は「慰安婦被害者を含めることに固執していない。問題があれば、除外することも可能。意見をまとめ、法案を全般的に修正している」と説明した。

 文議長は与野党議員、被害者、専門家などから意見を集め、その意向を最大限反映した最終案を12月第2週ごろに発議する方針だ。12月下旬に開催する可能性が浮上している韓日首脳会談前に法案が発議されれば、両国首脳が関係回復への足掛かりをつくることに役立つとの判断からだ。