映画コメンテーター、タレント、歌手、時にはプロレスラーまで。さまざまな仕事をパワフルにこなすLiLiCoさん。2017年には歌謡コーラス・グループ「純烈」のメンバーである小田井涼平さんと結婚し、LiLiCoさん47歳、小田井さん46歳という晩婚カップルの誕生も話題になりました。

「世の中はこうだから」「これがふつうだから」にとらわれず、自分らしく暮らしや仕事を楽しむLiLiCoさんの流儀とは? 3回にわたってお届けします。

【前回は…】LiLiCo、自ら望んで「主人」を支える「奥さん」になった。

9月に発売されたエッセイ『遅咲きも晩婚もHappyに変えて 北欧マインドの暮らし』

結婚したからって無理はしない

--30代も半ばくらいになると、一人暮らしにも年季が入ってきます。「今さら誰かと一緒に暮らせるのか?」「自分の生活パターンを変えられるのか?」という不安から、結婚に消極的になる女性も多いようです。そんな心配はありませんでしたか?

LiLiCoさん(以下、LiLiCo):え、そもそも変える必要なんてないですよ。言えばいいじゃない、例えば「23時15分に必ずシャワーを浴びたいのよ。だからその時間、あなたは避けてもらっていいかな?」って(笑)。

--エッセイ『遅咲きも晩婚もHappyに変えて 北欧マインドの暮らし』の中に「影響し合って染まり合う」という章がありましたが、結婚後にどんな変化がありましたか?

LiLiCo:そんなに大きく変わったわけじゃないんですよ。主人は地方での仕事が多いので、朝4時、5時に彼を起こすようになりましたけど、それもそうする必要があるわけではなくて、好きな人のために朝早く起きてご飯を作るのは苦ではないから。たぶん私が「起きるのツラい」と言えば、彼は「起きなくていいよ」と言うと思いますけれどね。

--「影響を及ばされてもいい!」と思える相手をまずは見つけることですね(笑)。

LiLiCo:そうそう、いろいろ心配する前にそういう相手を見つけて下さい(笑)。好きな人のためなら早起きでもしてあげたいと思うだろうし、相手にも自分のやりたいことやこれはやりたくないという「NO」がある。2人の「NO」が合わさって1つになればいいんじゃないかな。それがぴったりフィットするカップルもいっぱいいます。

それに、無理に相手に合わせる必要はないんですよ。私たちも性格は全く違います。私はよく笑うけど、出会って3年になるのに彼が爆笑してるところを2回しか見たことない(笑)。

--その2回がすごく気になります……。

LiLiCo:一度は、私がハロウィンにボウリングのピンのコスプレをして、そのメイクのまま家で疲れ果てていたとき(笑)。

--(写真を見せてくれる担当編集さん)こ、これは「志村けんのバカ殿様」メイクですね……。

LiLiCo:普段どおりのLiLiCoでカッコいい服を着ているのに、この顔だとねぇ(笑)。

晩婚の良さは? 互いの知らない部分がたくさんある

--晩婚の良さを伝えるとしたらどんなことですか?

LiLiCo:もちろん、若い頃に結婚して二人で長い歴史を刻んでいくのもすてきなことだとは思いますが、私たちの場合は46歳と47歳で結婚したわけだから、よほど長生きしない限り、別々に生きた時間のほうが長くなるわけですよね。

私は主人の、主人は私の知らない部分がたくさんあるから、二人で話す時間が楽しくて仕方がないんです。

それに、この年齢になったからこそ、知っておくべきことと知らなくてもいいことの分別がつくようになる。主人が過去にどんな女性と付き合っていたかなんて知っても意味ないことですよね。だから変ないざこざが起きないのも晩婚の良さなのかなって思います。

人生のヒントを映画から吸収

--LiLiCoさんのお話を伺っていて、自分のやりたいことや好きなことをきちんと分かってらっしゃるんだなあと思いました。だから、相手にも「自分はこうしたい」を伝えられる。自分が本当は何を望んでいるのか分からないという人もいると思うのですが、自分の内面を見つめる時間を意識して取っているのでしょうか?

LiLiCo:自分の内面と向き合うのは私にとっては当たり前の作業です。仕事でも、自分をどんなふうに見せていくかを考える必要もありますしね。私はずっとLiLiCoのままですけれど、実は3年くらい前から昔の「ちょっとウザいLiLiCo」ではなくて、少し静かなキャラに変えたんです。

--「私はこう!」と決めつけるのではなくて、とても柔軟なんですね。

LiLiCo:それはそれこそ、いろいろな映画を見ているからだと思います。映画って、みんなただの娯楽だと思ってるでしょ? もちろん娯楽なんですけど、どんな映画からでも人生に役立つヒントを持って帰ることができるんです。たとえ、つまらない映画だったとしても「あの一言がよかった」とかね。何も得られない映画って、あまりないんですよ。

最近見た映画も、美女たちが何百人も出てくる映画だったんだけど、みんな髪が長くて、それを見て「海外の色っぽい女性って髪が長いんだな。髪切るのやーめた!」って思った。それだけでもいいのよ(笑)。

(聞き手:新田理恵、写真:宇高尚弘)