井上尚弥(左)とルイス・ネリ【写真:荒川祐史・Getty images】

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WBC王座への挑戦者決定戦が消滅、井上とウーバーリの対戦の可能性がアップ

 ボクシングの元WBC世界バンタム級王者のルイス・ネリ(メキシコ)は前IBF王者エマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)戦の前日計量でオーバー。ロドリゲスが罰金を受け取った上での規定体重外での対戦に応じず、WBC世界バンタム級挑戦者決定戦は中止となった。WBCはネリの正規王者ノルディ・ウーバーリ(フランス)への指名挑戦者の権利を剥奪した。米メディアは悪童への制裁の余波で、IBF・WBAスーパー王者の井上尚弥(大橋)が次戦で3団体統一の道が開けたと報じている。

「ルイス・ネリはWBCバンタム級指名挑戦者を剥奪される」と報じたのは米ボクシング専門メディア「ボクシングシーン.com」だった。

「最近の計量の大失敗により、ルイス・ネリは大儲けのはずのファイトを犠牲にしただけでなく、保証されていたバンタム級タイトルへの再挑戦も失った」

 ロドリゲスの4倍以上となる30万ドル(約3260万円)のファイトマネーを手にできたはずのネリだが、高額のギャラとともに、タイトル挑戦権までを喪失したと報じている。

 そしてネリに対する今回の処分は、モンスターの次戦にも大きな影響を与えることになりそうだという。

「今回の裁定で、WBCバンタム級世界王者のノルディ・ウーバーリは次戦で防衛戦の相手を選択する自由がやってきた。フランス出身の五輪2度出場の選手はネリと指名試合を行うはずだった」

拓真を破ったウーバーリには、尚弥もリベンジも意識

 尚弥の弟、拓真(大橋)とのWBC王座統一戦で判定勝利を収めていたウーバーリは指名試合の義務がなくなった。すると、急浮上してくるのが3団体統一戦だ。

 記事では「今回の裁定で光明が差し込んでいる。ナオヤ・イノウエは今やウーバーリとのチャンピオン同士の激突に向けて、明確な道が通った。弟タクマのキャリア初黒星の後、復讐を誓っていた」と伝えている。

 トップランク社と契約した井上もワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)のノニト・ドネア(フィリピン)との決勝後のリングでウーバーリとの対戦へ向けてコメントを発していた。

 米国上陸が確実な次戦で、3団体統一戦の可能性が高まりを見せている井上。次戦候補に次々と実力者が名乗りを上げる中で、ネリの失脚で3つのベルトをかけたバトルが現実味を帯びてきた。(THE ANSWER編集部)