自衛隊のヘリで経口ワクチンの散布実証を行った(28日、群馬県東吾妻町で=農水省提供)

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 農水省は28日、豚コレラの感染拡大を防ぐため、野生イノシシ向けの経口ワクチンをヘリコプターで上空から散布する実証実験を群馬県東吾妻町で初めて行った。人が入りにくい山間部で散布し、豚コレラウイルスの拡散を防ぐ「経口ワクチンベルト」を構築する一環。試験結果や関係自治体と意見交換しながら、来月にもヘリを使った散布に乗り出す。

 同日は、自衛隊のヘリに農水省職員も乗り込み、同町の県畜産試験場吾妻肉牛繁殖センターの牧草地に経口ワクチンを散布した。高さや速度を変えて、経口ワクチンが届く範囲などを確認した。野生のイノシシでは、これまでに12県でウイルス陽性の個体が見つかっている。