下半期の「ダート王」を決めるGIチャンピオンズC(中京・ダート1800m)が12月1日に行なわれる。

 2014年に、前身の「ジャパンCダート」から「チャンピンズC」と名称が代わり、舞台を中京競馬場に移して5年。比較的、波乱傾向が強いレースと言える。

 現に、2015年には12番人気のサンビスタが大金星を挙げ、2016年は6番人気のサウンドトゥルー、2017年には8番人気のゴールドドリームと、伏兵が戴冠を果たしている。そのほか、2014年には8番人気のナムラビクターが、2018年にも8番人気のウェスタールンドが2着に突っ込んでくるなど、毎年番狂わせが起こっている。

 こうした傾向から、今回も穴狙いに徹するべきだろう。そこで、過去5年の結果を参考にして、今年のレースで激走しそうな馬を探し出してみたい。

 まず、狙い目となるのが、一昨年のレースを制したゴールドドリームのパターン。つまり、同年春のGIフェブラリーS(東京・ダート1600m)を優勝していながら、直近のレースが冴えず、人気を落としてしまった馬の逆襲だ。

 ゴールドドリームは、フェブラリーSを制したあと、海外GIのドバイワールドC(UAE・ダート2000m)に挑戦して14着と大敗。その後も、地方交流GI帝王賞(大井・ダート2000m)で7着、さらに地方交流GIマイルCS南部杯(盛岡・ダート1600m)でも5着に沈んで人気を裏切った。その結果、チャンピオンズCでは人気急落となったが、再びJRAの大舞台に戻って本領を発揮した。

 今年、そんなゴールドドリームと似た馬がいる。インティ(牡5歳)である。


フェブラリーSの覇者インティの巻き返しはあるか

 インティは、未勝利クラスから怒涛の7連勝を飾って、今年のフェブラリーS(2月17日)を制覇。まさしく新時代のダート王として、その後の活躍が大いに期待されていた。

 しかし、続く地方交流GIのかしわ記念(5月6日/船橋・ダート1600m)で2着に敗れると、続く帝王賞(6月26日)でも6着と馬群に沈んだ。そして、4カ月以上の休養を取り、立て直しを図って臨んだ前走のGIIIみやこS(11月3日/京都・ダート1800m)でも、なんと15着と惨敗を喫してしまった。

 こうなると、さすがに上位人気は見込めないが、ゴールドドリームの例からして”春の王者”の底力を侮ってはいけない。惨敗続きとあっても、コンディションさえ整えば、本来の力を存分に披露。ここで、完全復活を果たしても不思議ではない。

 過去5年の結果をあらためて見返してみると、重賞やオープン戦で安定した成績を残していながら、低評価にとどまった馬の台頭が多いことがわかる。

 冒頭で触れている、ナムラビクターやサンビスタ、サウンドトゥルーに、2017年に9番人気で3着となったコパノリッキーらが、そのいい例だ。

 ナムラビクターは、その年の春にオープン特別とGIIIアンタレスS(阪神・ダート1800m)を連勝。続くGIII平安S(京都・ダート1900m)こそ5着に敗れるが、夏の休養を経て、GIIIシリウスS(阪神・ダート2000m)で2着、みやこSでも3着と好走を繰り返していた。しかし、地方交流重賞などを転戦していた別路線組に人気を譲って、8番人気の低評価だった。

 サンビスタは、地方交流重賞で活躍。同年夏のGIIIスパーキングレディーC(川崎・ダート1600m)で3着になると、以降、GIIIブリーダーズゴールドC(門別・ダート2000m)で2着、GIIレディスプレリュード(大井・ダート1800m)で1着、そして直近のGI JBCレディスクラシック(大井・ダート1800m)でも2着と好成績を残していたが、ほとんどが牝馬限定戦だったため、まったく人気が上がらなかった。

 2016年の勝ち馬サウンドトゥルーも、地方交流重賞で奮闘。直近の3レース、帝王賞、GII日本テレビ盃(船橋・ダート1800m)、GI JBCクラシック(川崎・ダート2100m)と、すべて3着と善戦していたが、勝ち切れないことが嫌われてか、6番人気の伏兵扱いにとどまっていた。

 そしてコパノリッキーも、地方交流重賞で大暴れしていた。3走前のかしわ記念、2走前のマイルCS南部杯と連勝し、直前のGI JBCスプリント(大井・ダート1200m)でもタイム差なしの2着と結果を出していた。ただ、それらすべてがマイル以下のレースだったため、1800m戦のチャンピオンズCで人気になることはなかった。

 ということで、これらと同様、直近の重賞やオープン戦で堅実な結果を残していながら、人気薄になりそうな馬を、今年も狙いたい。

 面白そうなのは、ヴェンジェンス(牡6歳)とワンダーリーデル(牡6歳)である。

 ヴェンジェンスは今春、オープン特別のポラリスS(3月9日/阪神・ダート1400m)と、天保山S(6月8日/阪神・ダート1400m)を連勝。その後も、GIIIプロキオンS(7月7日/中京・ダート1400m)で3着、オープン特別の太秦S(10月12日/京都・ダート1800)で2着と好走したあと、前走のみやこSでは重賞初制覇を飾っている。

 ワンダーリーデルも、今春のオープン特別・欅S(5月25日/東京・ダート1400m)で3着と健闘したあと、続くオープン特別のアハルテケS(6月22日/東京・ダート1600m)では粒ぞろいのメンバー相手に快勝。秋を迎えても、リステッド競走のオープン特別・グリーンチャンネルC(10月6日/東京・ダート1400m)で3着に入り、前走のGIII武蔵野S(11月9日/東京・ダート1600m)で初の重賞制覇を遂げた。

 いずれも、前走で重賞を勝っており、勢いに乗っている。普通なら人気になってもおかしくないが、今回はハイレベルな地方交流重賞で結果を残している面々が人気の中心。上位を争うほどの人気は得られそうもない。

 だが、過去の例を見てもわかるように、戦ってきた相手や条件、経験値などを理由にして、堅実な好調馬を軽視するのは禁物だ。ヴェンジェンスは主に経験値、ワンダーリーデルは距離面での不安を持たれているようだが、ともに今の勢いをもってすれば、一発があってもおかしくない。 5番人気以下の穴馬が、毎年馬券圏内(3着以内)に食い込んできているチャンピオンズC。今年、波乱を起こすのはどの馬か。ここに挙げた3頭の中に、その候補はきっといる。