長期間、"休眠状態"になっているツイッターアカウントが削除される可能性が出てきた。BBCなどの海外メディアが11月26日に報じたところによると、米ツイッターが長期にわたりログインした経歴のないユーザーに対し、来月11日までにログインがない場合はアカウントを削除する趣旨の警告メールを送っているという。

国内のツイッター上でもすぐに「休眠アカウント削除」がトレンド入りする事態に。故人や、放送終了したアニメの公式アカウントを消さないでほしい、といった投稿をする人が相次いでいる。

亡くなった人の過去ツイートから元気をもらっている人も


ツイッターでは、以前から「運営の痕跡がないアカウントに関するポリシー」

「アカウントをアクティブな状態に保つには、少なくとも6か月ごとにログインして、ツイートするようにしてください。アクティブでない期間が長期にわたると、アカウントが恒久的に削除される場合があります」

と表示していた。報道によると、実際に休眠アカウントの削除を警告したのは今回が初めて。同社は、削除の理由を「プライバシーポリシーの更新を全ユーザーに同意してもらうこと」「フォロワー数に関する信頼性の向上」を挙げているという。

報道されるや否や、削除を拒むフォロワーたちの間に混乱が広がった。具体的な声には

「亡くなった方の生きた証を消す権利なんてTwitterにないだろ」
「これって、放送・公開終了しているアニメの公式アカウントも、半年以上呟いていないと消されちゃうわけですよね。担当メーカーさん、(中略)保有している過去作のアカウントで何か呟いてください」

などと好きな芸能人やアニメ作品のアカウントを「消さないで」と呼び掛ける声が目立った。当事者が亡くなった後も、多くの人が過去のツイートから元気をもらっているようだ。

休眠アカウントは「サイバーテロの温床」になる可能性も

ITジャーナリストの井上トシユキさんは、こうした休眠アカウントの削除は「自然の流れ」と話す。その理由として

「稼働していないアカウントが"なりすまし"を含めたサイバーテロに使われる場合があり、その数は決して見過ごせる数ではない」

と悪用されるリスクを指摘する。さらに「使われないアカウントはサーバー接続上のいわば"無駄"で、削除することでサーバーへの負荷が軽減できるメリットもある」という。井上さんは「冷たい言い方かもしれないが……」と前置きをしつつ、

「ツイッター側は、あくまでも"場"を提供しているにすぎない。その場を安全に保ち、ユーザーが快適に運用できるように改善するという目的を考えたら自然ではないか」

と見解を述べた。一方、

「好きだった故人や作品の公式アカウントを消してほしくない気持ちはよく分かる」

と突然の"削除予告"に困惑するフォロワーにも理解を示し、「12月11日までと予告があったということは、裏を返せばそれまでは記録する猶予があるということ。早めにツイッターのブックマーク機能やスクリーンショットなどで保存して、手元に残すことをお勧めしたい」と呼び掛けた。