若手ながら確かな演技力が評価され、国内外問わず様々な賞を受賞している実力派俳優、染谷将太

そんな彼の出演作をまとめてご紹介。

染谷将太 プロフィール

染谷将太は1992年9月3日、東京都出身。

筋肉少女帯のボーカル、大槻ケンヂのよる原作を実写化した映画『STACY ステーシー』(01)にて子役デビューしたのを皮切りに、松本太洋原作の漫画を実写化した『ピンポン』(02)等の話題作に出演。

その後、太宰治原作の『パンドラの匣』(09)にて長編映画初主演。古谷実原作の漫画を実写化した『ヒミズ』(11)では、第68回ヴェネチア国際映画祭にて「マルチェロ・マエストロヤンニ賞」を受賞。日本人初の快挙を成し遂げた。

その他、自主制作映画『シミラー バット ディファレント』(13)の監督・脚本を務めるなど、俳優の枠に留まらず、幅広く活躍している。

2020年放送開始の大河ドラマ『麒麟がくる』では織田信長を演じることが決定しており、今後の活躍にますます期待が高まる。

『パンドラの匣』(2009)

太宰治の生誕100周年を記念し、氏の同名小説を映画化。『パビリオン山椒魚』(2006)や『南瓜とマヨネーズ』(2017)等、独特の雰囲気を醸し出す監督、冨永昌敬。

太平洋戦争後、結核療養のために入寮した山里の診療所「健康道場」を舞台に繰り広げられる。

死と隣り合わせの状況ながらも主人公・ひばりが様々な人との交流を通して成長していく青春ストーリーだ。

染谷将太は当時15歳であったが、本作で映画初主演を果たしている。本当に平成生まれか?!と思うくらい、戦後の昭和を生きる少年の佇まいをうまく表現している。

『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』(2010)

入間人間による同名ライトノベル作品の実写映画化。監督はこの作品をきっかけに、のちに染谷将太と数々の作品を一緒に手掛けることとなった、瀬田なつき。

一見ごく普通のラブストーリーに思えるが、そうではない。

地元で起こった監禁事件に巻き込まれ、被害者として生き残った主役2名が再会。更なる連続殺人事件に巻き込まれていく、というサスペンス要素の強い作品となっている。

染谷将太は、「嘘だけど」が口癖の少年・みーくん役を演じた。飄々とした態度で精神が不安定な幼馴染・まゆを支える顔と、真剣に事件の真相を追う顔を的確に演じ分け、第3回TAMA映画賞 最優秀新進男優賞 および 第66回毎日映画コンクール スポニチグランプリ新人賞を受賞した。

『生きてるものはいないのか』(2011)

第52回岸田國士戯曲賞を受賞した前田伺郎の戯曲を、尖った作品を数多く手掛けてきた鬼才・石井岳龍(石井聰亙)の手で映画化。

穏やか日常を切り裂くように、突如訪れる死。何が要因か全くわからぬまま、あまりにも簡単に続々と死んでいく人々。世紀末ともいえる状況下における若者達の心の揺れ動きを、どこかズレたタッチで描いたホラーコメディ。

染谷将太は喫茶店店員のケイスケ役で主演を務めた。

『ヒミズ』(2011)

「行け!稲中卓球部」等で知られる古谷実の同名漫画を園子温によって映画化。

制作期間中に東日本大震災が起こったことを期に、当初書き上げていた脚本を変更したという。

家庭環境に恵まれず、とあることがきっかけで罪を犯してしまう少年・住田と、親からの愛情を受けられない少女・茶沢が、絶望するような出来事しか起きない世の中を必死にもがくヒューマンドラマだ。本作でW主演を務めた染谷将太と二階堂ふみは、第64回ヴェネチア国際映画祭でマルチェロ・マストロヤンニ賞(新人俳優賞)を受賞。日本人初の快挙を成し遂げた。

『悪の教典』(2012)

生徒に人気のある高校教師・蓮見。しかしその裏の顔は、気にくわない人をいとも簡単に殺してしまうサイコキラーだった。

すべてが蓮見の思惑通り進んでいたはずだったが、とあることをきっかけに、自身の生徒を次々と生徒を殺していくサイコスリラームービー。三池崇史監督作品。

染谷将太が演じたのは、賢く自由奔放な生徒、早見。

彼が想いを寄せる怜花役には二階堂ふみが起用され、『ヒミズ』以来の再共演を果たした。

『WOOD JOB!(ウッジョブ)神去なあなあ日常』(2014)

人気作家・三浦しをんの小説を映画化した本作。うまくいかないことが立て続いていた高校生・勇気は、あるパンフレットがきっかけとなり、思い切って林業研修を受けることに。

電波も繋がらないような村でひたすら林業と向き合いながら、人とのふれあいを通し成長する様が描かれる青春エンターテインメント。

染谷将太は主人公の勇気を演じたが、これについてFilmarksユーザーからは「染谷将太のヘタレ感が絶妙」「染谷君がポンコツでチャラい若者感を上手く表現していて、今まで見た彼の作品と印象が全く違い驚いた」といったレビューも。

『寄生獣』(2014)

岩明均原作の同名漫画を実写映画化。ある日突然、右手を寄生生物「ミギー」に乗っ取られてしまった高校生・泉新一。

寄生生物は「パラサイト」と呼ばれ、日本の各地で密かに人間に寄生して捕食をし始めており、やがて新一もその渦中に巻き込まれていく。

謎多き寄生生物と対峙しながら、大切な人を守るために奔走するサスペンスアクション。染谷は、主役の泉新一を演じた。右手の寄生生物と対話しながら敵と戦うという難しい役どころであったが、確かな演技力を見せた。

Filmarksでは「この映画から染谷将太の魅力にハマってしまった」「染谷くんの演技力はやっぱり凄いなぁ」という声も。

『さよなら歌舞伎町』(2015)

第39回トロント国際映画祭「Contenporary World Chinema」部門上映作品。『娚の一生』などの廣木隆一監督作品。

周囲には「一流ホテルで働いている」と見栄をはっているラブホの店長・徹とミュージシャン志望の恋人、沙耶。

徹が勤めている歌舞伎町のラブホを舞台に、様々な出来事が起こる。それぞれの愛を求めて彷徨う人間模様を描いた群像劇だ。

どこかつかみどころがなく、なんとなく日々をやり過ごしている徹を演じる染谷将太は、彼のもつ雰囲気と相まって、はまり役である。

『バケモノの子』(声優)(2015)

『時をかける少女』や『サマーウォーズ』等、人気作品を次々と発表している細田守監督による作品。

人間界で生きる孤独な少年・蓮が、バケモノ界で生きる熊徹に出会う。

やがて少年は熊徹の弟子となり「九太」と命名される。まるで親子のような絆が育まれていくが、ある事件をきっかけに様々な事象に巻き込まれていく。

染谷は、蓮(九太)の青年役で声の出演を果たした。

『映画 みんな!エスパーだよ!』(2015)

テレビ東京系列でドラマ化されていた若杉公徳の同名人気コミックを、園子温監督の手で映画化したお色気アクションムービー。

ある日突然、人の心の声が聞こえるテレパシー能力が使えるようになった高校生が、ひょんなことから敵のエスパーと戦わなければならず、突然世界の命運を背負うこととなる。

ドラマ版に引き続き主役を演じた染谷は、エロいことで頭がいっぱいの高校生・鴨川嘉郎を演じた。冴えない高校生の風貌がよく似合っている。

『3月のライオン 前編』(2017)

「ハチミツとクローバー」で一躍有名となった羽海野チカによる同名漫画を実写映画化。

中学生でプロ棋士になったが、様々な闇を抱える桐山零。一筋縄ではいかない個性豊かな様々な人物と対局し、愛に触れていくことで成長していく青春ストーリー。

染谷は主人公・桐山零のライバル、二階堂役で出演。幼少期から病気を患っているため、体が弱く、病気の影響でふくよかな体つきをしている。

このキャラクターを忠実に再現するため、特殊メイクでぽっちゃりした体形に変身しており、一瞬誰だかわからないくらいに変貌を遂げているのも見どころのひとつ。

『空海 ーKU-KAIー 美しき王妃の謎』(2017)

日中共同制作となった本作は、夢枕獏の「沙門空海唐の国にて鬼と宴す」が原作となっている。

若き天才僧侶・空海が、詩人・白楽天とともに、ある怪事件に直面。

かつて楊貴妃に仕えていた日本人・阿部仲麻呂が残した50年前の日記を手掛かりに謎を解いていくという、壮大な歴史ファンタジー映画。

本作で染谷は海外進出作品を果たし、主演の空海役に抜擢。大役を務めあげた。

『きみの鳥はうたえる』(2018)

『そこのみにて光り輝く』、『オーバーフェンス』に続き、佐藤泰志の同名小説を映画化。

函館で暮らす3人の若者たち。モラトリアムの真っただ中で、友情や恋愛を通して揺れ動く心情に一喜一憂させられる青春ストーリー。

柄本佑演じる「僕」と石橋静河演じる佐知子の友人役・静雄として出演した染谷は、肩の力が抜けた自然な演技を魅せている。

『聖☆おにいさん』(2018)

中村光原作の人気漫画を、コメディに定評のある福田雄一監督と俳優・山田孝之のプロデュースで実写ドラマ化。

ブッダとイエスが六畳一間のアパートで共同生活を送りながら、下界で束の間の休息を楽しむ、ゆるいコメディとなっている。

染谷はブッダ役を演じており、普段のクールな彼のイメージとは打って変わって、「ゆるい染谷」を楽しめる。

『最初の晩餐』(2019)

父が亡くなり、帰郷した子供たち。通夜ぶるまいで母親が出したのは、かつて亡くなった父が初めて作ってくれた「目玉焼き」だった。

この出来事をきっかけに家族で過ごした思い出が料理を通して蘇っていき、バラバラだった家族が少しずつひとつになっていく、ヒューマンドラマ。

食を通じて、「家族」の在り方や関係性を考えさせられる一本だ。

永瀬正敏、窪塚洋介、斉藤由貴、戸田恵梨香とそうそうたるキャスト陣の中で、染谷将太は主人公の東麟太郎を演じている。

プライベートでも子供を授かり、今や父となった染谷が演じる息子役。

父と息子、どちらの心情もわかるようになったであろう現在の彼が魅せる表情に注目したい。

【文・ぽひこ】

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